<9月9日栗矢の無礼講の様子>
出演者:茂山千三郎・鈴木 実(京都茂山狂言会)
演 目:狂言「寝音曲(ねおんぎょく)」
参加者:54名
台風も過ぎ去り、久しぶりに秋らしい涼やかな風の吹く昨晩の栗の無礼講でした。舞台は茂山狂言会の茂山千三郎氏とお弟子の鈴木実さんでした。
狂言の奉納舞台の前にはいつも千三郎氏によりますお話があります。
昨晩は西洋の文化と日本の文化の違いについてお話しいただきました。
西洋の文化では、神様などの信仰の対象は、いつも高いところにいらっしゃるので、バレエなどの芸術文化に見られるように、天に近づこうとつま先立ちになったり、台詞を天に向かって言ったりします。日本文化は、栗矢の無礼講でも「神降ろしの儀式」を行なっているように、神様を人間の住む大地まで降りてきていただき、一緒に神遊びを行なったりします。これは日本人が「農耕民族」であるが故の、土への感謝の気持ちと畏敬の念の表れだというお話をいただきました。お客様方はそういった日本人の心のよりどころが、どこにあるのかというお話を興味深く聞いていらっしゃいます。
茂山千三郎氏にとっては、栗矢神社で狂言を奉納することは、他とは違う特別な思い入れがあるそうです。かつて、狂言は能舞台ではなく、栗矢神社のような神社の拝殿などで行なわれていました。今ではなかなか神社で狂言を演ずる機会も少なくなって来たようで、こうして狂言本来の姿で奉納舞台ができることが、本当に気持ちのいいことだとおしゃっていました。
9月6日に鈴木 実さんがご結婚され、栗矢での舞台が結婚後の初の舞台ということで、奉納舞台が終わった後、栗矢の皆さんから鈴木さんに、栗矢の産物の贈り物がありました。境内にはお祝いの拍手が鳴り響いていました。
お客様からこんなご意見をいただきました。
「今日で3日間連続で見にきたよ。明日の朝、帰るけどもっと昼神温泉にいたい気分だよ。また来年も見に来るからね。」
このお客様は、栗矢の産物をお買い上げいただき、栗矢の無礼講に感動したと言って、お釣りを受け取らずに帰られました。
長野県は今、ディスティネーションキャンペーンまっただ中です。
テーマは「未知を歩こう」です。お宿での時間の魅力もさることながら、こうした地域の方々との触れ合いや、行事へ参加してみることも、お客様方の昼神温泉へ来た忘れられない想い出のひとつになると思います。
<今宵の栗矢の無礼講の予定>
出演者:あゆみ太鼓
演 目:水口囃子、ぶちあわせ太鼓
記:株式会社波兎