若女将の日記

若旦那の教え子

若旦那が14年前に卒業させた教え子の大田君が石苔亭いしだを昨晩尋ねて来てくれました。長野県から屋久島まで50ccのバイクで行くそうです。それも燃料に使うのはプラスチックなどを液体燃料に変えたECOな燃料だそうで、その燃料の実験も兼ねた旅行だと聞きました。

昨晩は大雨の中の出発ということで、太田君は石苔亭いしだにずぶ濡れの状態で到着しました。若旦那のはからいで、昨晩は石苔亭いしだの添乗員さん用の部屋に泊まり、今朝早くに京都に向けてバイクに跨り出発しました。

今日は若旦那の狂言のお稽古が京都である日で、どうやら下道をバイクで行く太田君と、お昼過ぎにこちらを出て高速道路を車で走っていった若旦那が、京都で出会えたらしく、一緒に茂山狂言のお稽古を見学できたそうです。茂山千三郎先生や京都のお社中の皆さんからも屋久島への旅行の応援をしてもらって、太田君もなかなかできない体験を道中しているよと若旦那が帰ってきて言っていました。

来月の4日くらいが屋久島に到着する日だそうです。さすが若旦那の教え子！石苔亭いしだのスタッフ全員あげて太田君を応援したいと思います。

中村屋キャラバンinネバーランド

今日は石苔亭いしだから南に30キロほど行ったところにあります根羽村のネバーランドでの、中村屋キャラバンのライブツアーでした。この日は根羽村が主催する「よさこいソーラン」のお祭りの日で、県内外から大勢の出場者が参加してのイベントの日でした。

朝からの雨という悪天候の中でしたが、ネバーランドのウッドデッキでは華やかな衣装を着た踊り手の皆さんが、本番に向けて練習をしていました。皆さん、よさこいソーランのトレードマークとも言うべき「鳴子」を持って、一つのリズムに心を合わせて踊っていました。どのチームもそのリズムや趣向がそれぞれ違って、どのチームの発表も楽しく見ることができました。

中村屋キャラバンにも大勢の踊り手の皆さんが来店してくださり、中村屋のラーメンを「美味しい」と言って食べてくれました。中にはラーメンを食べることに熱中していて、自分のチームの出番を忘れていた人もいるくらいでした。

心ワクワクする場所に中村屋キャラバンがいて、一緒にその時間を共有する中に、店舗では味わえない中村屋キャラバン本来の「屋台ラーメン」の旨さがあるなと感じることのできた一日でした。

若旦那の日記〜小口大八先生のお通夜〜

日本太鼓連盟副会長で御諏訪太鼓流宗家家元、小口大八先生が27日、交通事故で亡くなったとの連絡があった。

今から15年前。私が勤務していた岡谷市の神明小学校の教師をしていた頃、学校からの推薦で長野県主催の「青年の船」という海外研修に参加させてもらった。その際の岡谷地区のアトラクションとして選ばれたのが「御諏訪太鼓」の「飛龍三段がえし」という小口大八さんの曲だった。私が始めて太鼓というものに触れ、バチを握ったのはこの時であった。

御諏訪太鼓の小口大八先生の道場は神明小学校のすぐ目の前だったため、地域のお祭りを教育の中核活動としていた私は、岡谷太鼓祭りにクラスで参加することを決め、その年の夏にはクラス全員で和太鼓で祭りのステージに立った。なにか困ったことがあって道場を訪ねると、いつものしわがれ声と舞台の時とは違った優しい笑顔で、親切にアドバイスや励ましの言葉をかけていただいたことを今でも覚えている。

南信州で旅館の経営をしている今でも、時々道場を訪ねると奥から顔を出してくださり、私に「逸見先生、頑張っているかな。」と、笑いながら声をかけてくださっていた。晩年まで和太鼓普及のために全身全霊を傾けられた小口大八先生の功績は計り知れないものがある。今日のお通夜に駆けつけた弔問客の列がご自宅の庭の外まで長蛇の列となっていた。

多くの人の心に太鼓の響きと感動を刻み付けた小口大八先生の心からのご冥福をお祈りいたします。

いしだのロールケーキ

先日お話しました石苔亭いしだオリジナルのカステラを使用した新商品「ロールカステラ」ですが、和菓子の田月さんがいくつかのサンプルを作ってきてくださり届けてくれました。

1回目の試作の際に、根羽村のネバーランドの桑原シェフや若旦那と共に行なったミーティングの中で、味わいの足りないところや、工夫点などが多く出され、そこで出された意見をもとに田月の城田社長が研究を重ねて、9種類ものサンプルを作ってきてくれました。

サワークリーム&ゆずやチョコレート&生クリームなど、その分量やバランスを変えたものが勢ぞろいし、2回目の試食が行なわれます。さて、どんな新商品が生まれるのでしょうか？

若旦那のハーレー

しばらくの間、若旦那愛用のハーレーが駐車場にないと思ってましたら、友人の整備工場で新しく塗装をしなおしていたらしく、そのバイクが戻ってきました。今度の色は「イエロー」です。どうやら現在の若旦那のマイブームがこの色らしく、前々からチャレンジしたかった色だったそうです。

ただでさえ若旦那のバイクは改造するのにずいぶんと時間をかけていますので、ドドドドドド…とマフラーの音もかなりうるさく目立っているのに、今度のこのカラーリングは更に目立ってしまうような派手さです。ステッカーも私の知らないうちにインターネットで揃えていたらしく、ところどころに貼ってありました。

この辺では黄色いハーレーに乗っているのはそうはいませんので、近くでうるさい音をさせながらこの色のハーレーを見かけましたら、うちの若旦那だと思ってください。

追伸：若女将のハーレーのマフラー（サンダーヘッド）は、私のマフラーよりかなりうるさいです〜若旦那より〜

唐木さち先生の初の写真集

本日、伊那食品のかんてんぱぱガーデンにて、石苔亭いしだでも大変お世話になっている「唐木さち先生」の初の写真集の出版記念パーティーが行なわれました。

会場はたくさんの唐木先生が心を込めて活けられた野の花で飾られていました。梅雨の間の清々しい青空も広がって、会場にお祝いに集まった100人の皆さんと共に、野の花やお天気までもが、唐木先生の本の出版をお祝いしてくれているような素晴らしい日でした。

パーティーの中で唐木先生が

「何気なく咲いている野の花は、ハサミを入れることによって、より花としての輝きを増す。切ることによって命の力が増す。そういう思いで野の花にハサミを入れています。」

と、おしゃっていました。そんなお話を聞きながら会場に飾られた野の花を見回してみますと、どの花も嬉しそうに肩を寄せ合いながら、唐木先生のお話を聞いているようにも見えてきました。なにげなく私たちが見過ごしている、あぜ道に咲いている野の花も、こうして唐木先生にハサミを入れられることによって、その花の持つ力強さやけなげさに裏づけされた「美しさ」の輪郭がはっきりします。

道端に咲いている小さな野の花に心が寄せられるようになってくると、その小さな花に心を寄せられる人達の心も感じることができるようになってきます。そうすると今までは自分のまわりにいることが当たり前だと思っていた、もっと多くの人の生きる姿にも気付けるようにもなってきます。

唐木先生の活けられる野の花から、そして唐木先生の花と正対して生きていらっしゃる姿から、たくさんのことを教えてもらっています。

阿智高校での太鼓の練習

若旦那が高校へ出かけていきました。毎週火曜日は地元阿智高校の3年生に和太鼓を教える日です。7月5日が阿智高校の文化祭本番ということで、その日に向けて太鼓の練習が追い込みに入っています。

今日の練習はそれぞれのパートごとにフレーズや振りを確認しながらの稽古だったそうです。よくテレビでは「今どきの高校生は根性がない」とか「これだから今の高校生は…。」などと言ったコメントを耳にしますが、若旦那の話を聞くか限りでは、今どきの高校生はよく頑張っていると私は感じます。

この日の練習も、誰一人欠けることなく参加して、分からないフレーズがあると友達と教えあったり、5分間の休憩時間も休まず練習を続けている生徒が多くいたそうです。ある生徒の手を見るとマメができて、そのマメが潰れているのにも関わらずバチを放すことなく最後まで打ち込んでいた生徒もいるとの話も聞きました。

残りの練習時間はあと数回ということですが、最後まで練習をやり抜いた後に、きっとこのクラスの生徒達はなにか大切なものを感じることができるのだと思います。それは頑張りぬいた人だけがもらえる若旦那からの生徒に向けてのプレゼントです。がんばれ！阿智高校3年B組！

トンキラ農園

知人を連れて浪合地区にあります「トンキラ農園」を訪ねました。

農作業の手伝いをする体験農園の食事処です。宿泊施設もあって、基本的には宿泊と農業体験がセットになっているそうです。農園で採れたばかりの新鮮な地元野菜は、地元のおばあさん達が料理をして出してくれます。

農園のある浪合地区は標高が高く、朝晩の寒暖の差が激しいため、おいしい野菜ができる条件としては最高の場所にあります。これからが最盛期といわれるキャベツもその甘みや食感が、農園より下で採れたものとは格段に違うそうです。それほど多くの野菜は育ててはいないそうですが、その分気持ちを込めて大切に育てられたトンキラ農園の野菜はどれも味わい深く、遠く都会からわざわざ出かけてこられるお客様方もたくさんいらっしゃいます。

それにまわりの環境が最高です。ずっと奥まで続く山あいに続く野菜畑。現代では地方でもなかなかお目にかかれないような開放感のある気持のいい風景です。小鳥達のさえずりも心地いい自然のBGMとして、私たちの心を癒してくれます。今月末からは釣り堀と釣った魚を焼いて食べる囲炉裏端もオープンするそうです。

是非、昼神にお越しの際には「トンキラ農園」にもお出かけくださいませ。

夏がもうすぐやってきますよ。

石苔亭いしだでは今、「夏至」の頃の献立をお客様にご提供させていただいております。暦の上ではもう夏なんですね。まだ梅雨があけないというのに、「夏」にはちょっと気が早いような気になりますが、今日、ふと車を運転していて空を見上げてみますと、空に大きな入道雲のような雲が見えました。

思わず車を停めて写真をパチリと撮ってみました。

日が落ちるとカミナリもゴロゴロと鳴り出したりして、夏の夕立のような陽気でした。「二十四節季」とは、農耕民族である日本人が、農業をするための基準として一年間を二十四に区分した日本の暦です。

暦の通り、もう夏の兆しがあちらこちらに感じることができます。日一日と夏に近づいていくこの季節を楽しみたいと思います。

モリアオガエルの卵

今日、長野県の最南端にある根羽村にある玉水農園さんに行ってきました。広い農地を夫婦二人で管理しているのは、この村在住の片桐さんご夫婦です。もう74歳だとお聞きしましたが、まだまだお元気で畑を回りながら、いろいろ珍しい品種の野菜やフルーツの説明をしてくれました。

「こんなものもいるんだよ。」と言って、畑のぞばにある風呂おけを覗かせてもらうと、その淵に直径15センチほどのスポンジでできたような白い玉がありました。なんとそれは長野県では天然記念物として指定されているモリアオガエルの卵でした。カエルは水中に産卵するものがほとんどですが、モリアオガエルは木の枝などに粘液を泡立てて作る泡で包まれた卵塊を産みつけます。こういった人口のものに卵を産み付けるケースは珍しいとのことでした。

よく夜になるとここら辺に来ては卵を産んでいくんだよという話を聞きながら、よくみると卵のすぐ傍でじっと動かないでいるモリアオガエルがいました。もうすぐ卵からおたまじゃくしがかえるそうです。