若女将の日記

いしだのロールケーキ試作第4弾

田月の城田社長が、いしだのカステラを使ったロールケーキの試作第4弾を持ってきてくれました。今回は生クリームの中に「柚子」と「大鹿村の山塩」を混ぜたものでした。山塩の塩分がカステラ本来の甘みを引き出してくれるだろうと考えて試作したものです。

一口食べてみて･･･。んん〜･･･しょっぱいカステラ･･･。

大鹿村でとれる山塩は50グラムで500円もする貴重な塩なのですが、海水からとった塩のようなかなり濃い塩分で、ちょっとしか混ぜ込んでいないにもかかわらず、生クリームや柚子の香りなどまったく感じさせない「塩カステラ」を見事に完成させてしまいました。

チョコレートやブラックペッパーと塩を混ぜ込んだロールケーキも試食してみましたが、やはり塩の味しかしないロールケーキでした。今回の試作ロールケーキは、ちょっと完成から遠のいた気がしました。

こうやってひとつひとつ失敗を重ねながら、いしだのロールケーキは出来上がっていくのです。完成をどうぞお楽しみに。

ドラマ撮影順調に進んでいます。

「温泉へGO！」の今回ののドラマロケも残すところあと一日です。今晩は露天風呂の場面もあって、夜中まで撮影が続きます。明日東京へ帰ってまたすぐに伊豆へロケに出かけられると聞いて、ドラマロケって大変だなと思いました。

ドラマの中では「昼神温泉」という名前は出てきませんが、昼神温泉へ来られたことのある方でしたら、よく見る風景がいろんなところに出て来るかと思います。石苔亭いしだの玄関やロビーもそうですが、旅館の前を流れる阿智川、清内路村の風景、阿智村の農家など、たくさん出てきます。

先日、若女将の日記の中でご紹介させていただいた浪合村の「トンキラ農園」は、実はドラマの中の重要な場面で必要な畑の場面を、スタッフの方と探しに行った時に、見つけた浪合村の豊かな自然の風景でした。6月の頃、ドラマの場面に合ったロケ地を探すために、現地に随分早い段階から入っていた和田さんと、現地の案内係の若旦那と2人で、近所をぐるぐる回っていたのを思い出します。

今日はその和田さんが、私たちスタッフのために美味しいカレーを作ってくださいました。チキンナゲットも入ってとても味わい深いカレーを大鍋いっぱい作ってくれたおかげで、スタッフ全員で味わうことができました。

和田さん、有難うございました。またロケ地で分からないことがあったら、若旦那をどんどん使ってやってください。

かぶちゃん農園のCM出演

地元飯田市の「かぶちゃん農園」のテレビコマーシャルに出演させていただいております。テレビ朝日 TBS系列にて放映している全国CMで、友人知人から「テレビ見たよ」という電話をいくつかいただきました。

かぶちゃん農園の鏑木社長さんとは、若旦那が以前より懇意にしていただいております。地元の市田柿をこよなく愛し、全国にここ南信州を発信してくださっているのが「かぶちゃん農園」です。今回は私がお手伝いさせていただいたのは「ブランデー市田柿」のコマーシャルですが、私で本当に商品のこだわりがテレビをご覧いただいている皆様に伝わるのか心配です。

今、石苔亭いしだで撮影が進んでいる「温泉へGO！」の放送枠でもある、花王愛の劇場（月曜から金曜午後13：00〜13：30）の中で1週間に数回コマーシャルが流れています。もしかしましたら、ドラマで旅館が、コマーシャルで若女将の私…といったことにもなるのかもしれません。

ちょっと気恥ずかしいですが、どうぞ「かぶちゃん農園」のコマーシャルをご覧になってくださいませ。

戸隠神社

出張で飯綱高原へ行ってまいりました。せっかく出かけたので仕事の帰りに、戸隠神社の参拝をしてきました。戸隠神社のご本尊は天照大神が天の岩戸にお隠れになった際に、岩戸を開ける方法を考えた「天思兼命〜あまのおもいかねのみこと〜」です。

昼神地区にあります「阿智神社」にお祀りしてありますのも、戸隠神社と同じ「天思兼命」です。宮司さんにお話をうかがうと、戸隠神社から「天思兼命」を分けた神社は数多くあるという話でしたが、南信州では大変珍しいということでした。

ちょうど来年、七年に一度「天思兼命」に「天表春命〜あまのうわはるのみこと〜」が会いに来るお祭りがあるそうです。お神輿に乗って会いに行くそうで、その立派なお神輿が境内に安置されていました。

凛とした雰囲気の中にも関わらず、なぜか安心できるこの「戸隠」という壮大な物語に由来している地を、初めて訪れたとは思えないほど懐かしい風景のような気持ちで眺めていました。また、時間のある時にゆっくりと訪ねてみたいと思います。

勇壮！阿智の夏祭り

絶好の晴天の下、今年の阿智の夏祭りが開催されました。子ども達のお神輿行列、婦人部の方の盆踊り、高校生の太鼓のステージ、大花火大会、多くの出店など、今年も阿智の夏祭りは大盛り上がりでした。

中でも今年で6年目となる「阿智の火祭り」は、多くの方々からの歓声が上がりました。村内の厄年の方々が、村中の厄を松明の火に集めて街中を練り歩く「虫送り行列」は、今までで最高の20名以上の方々の参加となり、夜の街道を松明の紅い火で染め上げました。

虫送り行列で露払いの役目だったのは「阿智黒丑舞」です。10メートルもある黒丑に、初めて見る村の方からもどよめきが沸きあがりました。写真撮影を希望される外国の方や、頭を噛んで欲しいという家族連れの方々など、かなり人気の高かった黒丑舞でした。

火祭りのクライマックスの「火落とし」は、今年も山の中腹から大きな火の玉が、阿智川の清流に向かって3つ落とされました。何十メートルも離れて火の玉を見ているのに、火の玉の熱が観客席まで届きました。毎年火の玉の大きさが大きくなってきているように思います。今年も直径2メートルほどの火の玉が無事落ちると、阿智村自慢の大スターマインが、頭上で大輪の花を咲かせました。本当にこの村の花火は頭上で上がるので、口をあけて花火を見ていると、花火のかすが上から落ちて口に入ってしまうほどです。

最後の花火が終わると、なんとなく夏はこれからだというのに、寂しい気分になりました。今年は石苔亭いしだのスタッフも、黒丑舞や虫送りの行列に積極的に参加でき、この村の一員として貢献できたことにも嬉しさを感じました。

さあ、次は昼神の夏祭りです。

阿智の夏祭り前日。

いよいよ迫ってまいりました今年の阿智の夏祭り。

今日は前日準備ということで、石苔亭いしだでも若旦那を筆頭にスタッフが数名出て、朝から祭りの前日準備が行なわれています。

午前中は加藤木さんを講師に迎えた「阿智黒丑舞」の練習です。10メートル以上もある黒丑の頭の付いた屋台を、舞手や屋台の引き手合わせてスタッフが7人程度で動かすのですから大変です。30度以上も気温が上がる中、衣装や面を付けて約2時間の練習が行なわれました。

午後は4トン車に屋台を乗せて祭り会場に搬入を行ないましたが、道行く観光客の方々などが、これは何ですかと不思議そうに尋ねてこられました。お祭り会場となる中野橋の河川敷では、火落としのための何百メートルもあるワイヤーロープが張られています。歩行者天国になる街道にはちょうちんが既に飾られていました。

村中が明日のお祭りに向かって一つになっている様子がなんだかとても嬉しく感じました。明日天気になることを祈っています。

若旦那の日記〜地震〜

東京に昨日から営業に来ています。現在石苔亭いしだでドラマ撮影をしているという話が先日若女将からありましたが、昨晩はドラマにご出演している大鶴義丹さんと新宿の「鳥茂」という店で夕食を食べました。

私はレバーが苦手ですが、大鶴さんに勧められて食べた生レバーはレバー独特の臭みもなく、美味しく食べることができました。少しアルコールも入って、滞在中のホテルに帰ったのが23時ちょっと前くらいでしょうか？

日中の猛暑の中、歩き回っていたこともあり、ベッドに横になってウトウトしていますと、なんとなく頭がクラクラするような感覚に目が覚めました。酔いが回っているのかと思って辺りを見ると、カーテンや机上のスタンドのコードなども揺れています。地震だとすぐ分かり、すぐおさまるだろうとベッドの上から動かないようにしていましたが、なかなか揺れはおさまりません。

滞在していたのが22階ということもあり、地上より揺れが大きく感じられたこともありますが、30秒以上のゆったりとした横揺れに、少し車酔いのような感じになりました。テレビをつけてみると各地の震度が表示されていました。震源ははるか東北地方ということでしたが、東京がこれほど揺れるのだから、震源地はかなりの被害が出ているのかもしれないととっさに思いました。

災害の時には、まずなにをしなければならないかということは、日頃漠然とはわかっていても、いざ災害に直面すると体が止まってしまい、なにもできずに動けなかった自分がちょっとショックでした。

阿智黒丑舞の練習

毎日暑い日が続きます。今日も昼神温泉は30℃を超えました。阿智の夏祭りの火祭りの中で、今年4月に行なわれた早座祭りでも披露された「阿智黒丑舞」がたいまつ行列の先頭を練り歩きます。今日は炎天下、その練習が行なわれました。

真っ黒い布で覆われた黒丑舞の幌の中は、おそらく40℃近くまで温度が上がっていると思われます。宴でもお世話になっている地元伝統芸能者の加藤木朗さんに講師になっていただき、阿智川沿いの道を使って、約4時間の稽古をしました。

丑頭を担当したのは石苔亭いしだの厨房の石渡君です。重さが20キロはある丑頭を持って、左右に動きながら激しい丑の動きを体で覚えていました。牛頭大王といわれるスサノオノミコト役は、石苔亭いしだのフロントの麦島君でした。草薙の剣に見立てた長い青竹を振り回しながら、黒丑との掛け合いを一日でずいぶんスムーズにできるようになりました。面をつけての稽古となりかなり視野が限られての動きでしたが、最後には間合いもうまく取れるようになり、加藤木さんからもお褒めの言葉をいただいていました。

練習の後はさすがに全員ぐったりしていて、もう立ち上がれないほどの疲れようでした。最後の練習が祭りの前日の25日の午前中にあり、いよいよ本番の夏祭りとなります。

今年の阿智の火祭り

昨晩、毎年行なわれている「阿智の火祭り」のリハーサルがありました。

毎年この祭りの中で、村内の厄年の皆さんがたいまつ行列で、村中の「厄」を集めて、阿智川の清流に流す「虫送り行列」が行なわれます。街中を20ものたいまつが練り歩く様子は圧巻です。

しかも今年の厄年の方々はその火を使って「ファイヤーダンス」を披露してくださいます。50センチほどの鉄の棒の先に火をつけて、大車輪のように回したらり、前後左右に回したりします。昨晩の練習では実際に火をつけて、太鼓のリズムに合わせて火を振ってみました。

公民館の駐車場は火振りの炎で、夜だというのに明るくなりました。

火が体の一部にあたって、若干服が焦げた厄年の方もいらっしゃいましたが、皆さん、素人とは思えないほどの息のあったパフォーマンスで、全員でそろったときには、鳥肌が立つほどの迫力がありました。

今年の阿智の夏祭りは、7月26日です。火祭りは夜の8：00からですので、どうぞご覧にいらしてください。

月の一度の全体ミーティング

1ヶ月に一度ある石苔亭いしだの全体ミーティングが大広間で行われました。今日の話があったのは今年の春に行なった「顧客満足度調査」の結果についてです。

全部で31項目のアンケートの集計結果には、私たちの旅館がお客様からご満足をいただいているところと、もっと頑張れと言っていただいているところが、数値として明確に示されています。

得てして旅館というところは、経営者の思い込みで改装が行なわれたり、サービスが変わったりして、お客様不在となることが往々にあります。もちろん旅館側からの提案が、それまでにないサービスの提案であったり、新鮮な感動の糸口となるような場合もあります。しかし、そういったサービスの提案ができるようになるためには、それなりの失敗や経験の積み重ねが必要です。

いきなりホームランを打とうとするととんでもない結果となる場合があります。細かいバンドやヒットをつなげていきながら、たまに外野へヒットが打てるようになるのが普通だと思います。そのために、今私たちがお客様方に提供しているサービスが、本当に心地よいものであるかを、私たち自身が知っておく必要があります。

お客様からの声を謙虚に受け止め、お客様にとっての時間と空間を提供させていただくことこそが私たち旅館の使命だと、本日の「顧客満足度調査」の結果を見ながら思っていました。