若女将の日記

つきぢ田村のヘルシー会席料理

12月5日に行なわれますカラダリセットプランで提供されます身体にいい会席料理の研修のため、ボンファムの中野シェフのご紹介で、今日、料亭「つきぢ田村」へヘルシー会席料理を食べに行きました。

田村料理長自らおで迎えしてくださり、一つ一つどんな工夫をして料理を作っているのかを説明してくださいました。全部でなんと750キロカロリーちょっとしか会席料理と聞いていたので、きっと2〜3品くらいしか出てこないのかと思っていたら、前菜から椀・造り・焼き物・小鉢・煮物・止椀の雑炊、そして最後の甘味のおしるこまで出た会席料理でした。

これで本当にカロリーが少ないのと思いましたが、お肉は使わず鰆などのお魚を材料とした焼き物であったり、油を使わない調理方法だったりと、いたるところに工夫がされており、お腹はいっぱいになりましたが、胃にとても優しい会席料理でした。。美味しいものを食べても、身に付かない…これは女性にとって最高の喜びだと思いました。

田村さんにいろいろ教えていただいたことを参考にしながら、長田板長が12月5日のヘルシーなカラダリセット会席料理を考えてくれます。まだ若干の余裕がございますので、どうぞご予約くださいませ。

客室の改装計画

石苔亭いしだの客室で今年の冬の間に、改装を計画している客室が6部屋あります。今年の夏に「風」をテーマに空間デザインをした客室がありましたが、それと同じお部屋タイプで一間タイプの客室となります。

先日、石苔亭いしだは「和風旅館」ではなく「日本旅館」を目指した雰囲気作りをこれからしているというお話をしましたが、今回、改装するお部屋はそのテーマを「禅スタイル」として、日本人が昔から大切にしてきた「一間」という空間を、なるべく無駄なものを省きながらも、機能性に長けた日本旅館の客室を再現させようというものです。

いかにしたら窓から入ってくる朝日の光に心を寄せる事ができるのか？

畳の肌触りや木のぬくもりをどうやって感じていただけるか？

南信州に吹く風や、季節の移ろいを五感で感じていただくための空間とは？

若旦那は、いろいろな角度からお客様にとって、居心地がいい客室空間はどうあったらいいか、手帳にメモや見取り図を描きながら考えています。どんな客室になるんでしょうね。

玄関前の庭の剪定

石苔亭いしだで毎年恒例となっております、玄関前の庭木の剪定が昨日から始まっております。庭木屋さんが高い松の木の上に登り、一つ一つの枝を丁寧に整えてくれているのを見ていると、まるで子どもが床屋でおとなしく髪の毛を切ってもらっているようにも見えて、少しおかしくなりました。

今年の冬に石苔亭いしだの玄関前の風景が大きく変わる計画があります。門をくぐったところから、両側に紅葉の木を植えて小径を作って雰囲気を出すということです。ということは、20年以上見慣れてきた玄関前の庭の景色も、今年で見納めと言うことになります。どんな庭の風景になるのかという楽しみな気持ちと、ちょっと寂しい気持ちが複雑に入り混じります。

石苔亭いしだの玄関前の庭木の剪定が終わると、私たちの旅館は本格的な冬の支度に入ります。来月早々には玄関に注連縄が飾られたり、畳の交換や館内の大掃除が始まります。

若旦那の講演

最近、若旦那がお客様からの依頼で講演をさせていただくことが多くなってきています。先日も石苔亭いしだにシーツなどのリネン関係を提供いただいております業者さんからの依頼で、お昼席を兼ねた講演会がありました。

この旅館でこの5年間に、何を残して何を変えてきたのか？サービス業にとって大切にしていることは何か？石苔亭いしだにとってのこだわりとは何か？海外から見た日本人はどんな風に見えるか…？

などなど、先月参加してきたロンドン・フィレンツェでの文化公演の様子も交えながら話していました。私も会場の隅に座らせていただきながら聞いていると、若旦那がこの旅館にやって来てからの5年間が、こんなにも早く過ぎて、こんなにもたくさんの変化があったことに今更のように驚かされました。

冬に咲く桜？

先日ご出発のお客様を見送りに外へ出ましたら、散歩されていらしたお客様がお声をかけてくださいました。「おい、この桜の種類は何だ？」とおっしゃられます。

「ソメイヨシノだと聞いております」と答えましたら、「咲きそうじゃないか、つぼみが膨らんでいるぞ」というのです。

確かに風は冷たくても、まだまだ気持ちのよさが感じられるほどの11月を迎えてはおりますが、まさかのまさかです。

「今まで季節外れに桜が咲くことは一度もありませんでしたが」と話しながら若旦那も交えて3人で、まじまじと桜の木のつぼみを眺めていました。

今頃間違えて色づくようではだめよ、これから寒くなるんだからね。と「ソメイヨシノさん」にはよく言って聞かせましたので多分大丈夫だと思いますが、清く澄んだこの空気のなかに花開く「幻の昼神の桜」あるいは、綿のようなボタン雪が降る中に咲く、阿智川沿いのソメイヨシノの景色がちらっと頭をよぎり、しばしロマンティックな気分に浸りました。

狂言祝言

恒例となってまいりました石苔亭いしだのブライダルですが、次のブライダルショーでは、なんと狂言師・茂山千三郎先生のプロデュースによります狂言を交えた挙式「狂言祝言」をご披露いたします。

狂言の演目の中に「福の神」というおめでたいけれど、ちょっと笑いある演目がございます。最後は福の神の面をつけた方がお祝いの舞を舞うというものですが、このおめでたい狂言とこれもまたおめでたい挙式を一緒に行なったらどうなるか…。それを茂山千三郎先生の演出の下、来年の春のブライダルショーで皆様に見ていただこうと思っております。

能舞台での挙式というのも珍しいことですが、更に狂言と挙式のコラボレーションでの式というのは、今までにないまさに石苔亭いしだだけの祝言になると今からとても楽しみにしています。12月の結婚情報誌「ゼクシー」にも、石苔亭いしだでのブライダルショーの広告が掲載されるようです。

日にちは3月4日（日）の予定です。是非、日本に一つしかない…。いえいえ世界に一つしかない狂言による挙式「狂言祝言」を見に来てください。

大きなキャベツを見つけました。

テレビで、今年はレタスや大根が豊作で値崩れを防ぐために、せっかくできた野菜をトラクターで潰して廃棄している目にしました。そんなニュースが記憶に残っている中、今日、出張で出かけた松本でとんでもないものを見つけました。

それはキャベツです。イタリアンのレストランの前に何気なく椅子に乗せられて置いてあったのですが、思わず足を止めて見つめてしまいました。一見すと普通のキャベツなのですが、他のキャベツと違うのはその大きさです。遠くから見てもキャベツだと分るほどの遠近感を無視したそのキャベツに、道を行き来する人の多くが立ち止まっていました。

私も若女将の日記で紹介しようと、持っていたカメラでパチッと写真を撮らせてもらいました。こんな大きなキャベツができるうということは、やっぱり今年は野菜にとって育ちやすい環境だったのかもしれません。

七つの笑い酒

木曽の七笑酒造の全面的なバックアップにより、石苔亭いしだで七種類のお酒「七つの笑い酒」が今日からお客様方に提供できるようになりました。いろいろな味わいの長野のお酒を楽しんでいただきたいということで、ボトルのサイズは３００ｍｌと、ちょっと小さな小瓶に特別に詰めてもらっています。

「七笑」という不思議な名前の由来は、次の通りだそうです。

「七笑(ななわらい)」の名前の由来は、さかのぼるとひとつの地名に行き着く。この地の歴史に残る「木曽義仲（きそよしなか）」は、武士の始祖とも言われる豪傑。 源平合戦では見事に勝利をあげ天皇から征夷大将軍を拝した有名な人物。その義仲がまだ「駒王丸（こまおうまる）」と呼ばれていた幼少のみぎりに、木曽駒の山奥に自然児として過ごした美しい場所があった。そこは、木曽川の源流木曽駒高原（きそこまこうげん）に実在する「七笑」と言う名を持つ小さな部落だった。

屈しない強さを誇る木曽義仲が、最も大切にした場所「七笑」には、さらにはこんな逸話もある。青年となった彼は、なんとこの場所で、逢い引きをした。

・・・と言うのだ。お相手が、かの「巴御前（ともえごぜん）」であったかどうかは定かではないが、鬼神と詠われるほど神がかった戦（いくさ）の天才「旭将軍・木曽義仲」の、なんとも微笑ましくおおらかな一面をかいま見るようではないか。

生誕から850年を経た現在も、木曽義仲は木曽路屈指の英雄である。

七笑酒造は、義仲の原点ともなった場所「七笑」のように、美しく清らか、豪快でおおらかな日本酒の味の原点を、守り抜く姿勢で酒造りに携わり続けている。 　　〜七笑酒造のHPより抜粋〜

お料理が進むにつれて、お料理のお供のお酒も変わっていくことが望ましいと思っております。木曽の銘酒「七笑」の七種類のお酒をどうぞ石苔亭いしだでお楽しみくださいませ。

秋も終わりです。

朝晩と吐く息が白くなるくらい冷え込んでまいりました。今年の紅葉は上手に紅くなり、その後日中温かい紐続いたため、長い間綺麗に染まった山々を見ることができました。11月も終わりに近づき、そんな山々の風景もそろそろ冬支度に入ってきているようです。

黄色から茶色に変化してきた山々の所々に、葉がすっかり落ちた枝だけの木々が目立ってきました。石苔亭いしだの玄関前にそびえたっている「石抱きの欅」の木もあと少しで葉っぱが全部落ちてしまいます。ちょっと寂しい気もしますが、庭の落ち葉を毎日掃いている結処（ゆいどころ）のスタッフは、早く木の葉が全部落ちないかと心待ちにしているようです。

山の上の方では、もう雪がチラチラ舞ったという話を聞きます。冬の足音が少しずつ近づいてきているようですね。風邪もはやっているようですので、皆様方もお体だけは十分お気をつけくださいませ。

陶器と漆器のコラボレーショ

昨日の日記でもお話をしたナゴヤドームでの器の展示会の中で、若旦那が先日、木曽のちきりやさんと打合せをしていた「陶胎」の作品が展示されていました。

「陶胎」とは、陶器に漆器を塗ったものことを言います。食器のノリタケさんのブースに、陶器に輪島塗が施されたチョコレートセットと呼ばれる（多分、英国でホットチョコレートを楽しむための食器）ものが展示されていました。1セット200万円以上ということでびっくりしましたが、恐る恐る手にとってみると、やはり陶器にはない温かな肌触りがとても心地よく、いつまでもはなしたくなくなりました。

漆器は海外においては肌触りがシルクのようだと例えられるくらい、その感触には定評がるというお話を聞いたことがあります。現在、ちきりやの手塚さんに「陶胎」の見本を制作していただいているそうです。漆器の持つ温かさと陶器の持つ利便性が融合できたら、もっともっと日本の食器の可能性が広がる気がしました。