若女将の日記

自信を持つということの大切さ

好きな映画のセリフにこんな言葉があります。

「ゲームに勝つために、一番大切なのはディフェンス（防御）だ。それでは、ディフェンスに一番大切なのは何か？それは「自信」だよ。これは人生にもいえる事だ。世の中に出るとあらゆる困難や挫折に出会う。どうしようもなく、そこから逃げ出したくなることもあるだろう。そんな時、最後に頼りになるものは「自信」なんだ。自信があればゲームには必ず勝てる。」

それでは「自信」とは、どうやったら身についていくのか？それは自分が信じたことに対してとことんやり抜いてみることだと私は思います。

とことんやってみると、何が間違っていて何があっていたのかが、はっきり見えてきます。中途半端にトライしてみてすぐ諦めてしまったり、最初から無理だと考えてなにもやらなかったら何もわかりません。

まずはやってみること。打率3割を出すためには10回中7回空振りしなければならなりません。そうやって身に付いた「自信」こそが、自分の力になっていきます。困難を乗り越える力になっていきます。

自信があればゲームには必ず勝てる・・・というのは、映画の中の言葉ですが、これは私たちが生きていく上でも言えることだなあと思いました。

春のにおい

朝から頬に当たる風が温かく、もう春がそばまで来ているんだなぁと実感できる一日でした。

旅館の前を流れる阿智川沿いの桜の蕾ですが、３〜４日前にはまだ固い茶色い蕾でした。今日土手を歩きながらそっと蕾を触ってみると、ふっくらと柔らかく、茶色の蕾の殻から少しずつ中の緑色が見えてきていました。

温かな春の風のにおいに、木々の花たちも長い冬眠から覚めて、ソワソワと準備を始めているようです。旅館から車で１５分ほど離れた山間には、今「福寿草」の黄色い花が満開に咲き誇っております。春の到来を知らせるサインが、あちらこちらで出はじめました。

例年ですと、桜の花が満開になりますのは４月１０日前後ですが、ここ２〜３年その時期が１週間ほど前になってきております。これから月末にかけての陽気が左右すると思われます。

また、日記の中でもお知らせしてまいりますね。

料理企画第３弾「匠の饗宴」〜陳建一〜

今晩は、和食と中華のコラボレーション企画「匠の饗宴」がありました。

厨房には大きな中華鍋が並べられ、いつもの和食の厨房の雰囲気とは一変しました。陳さんはとてもユニークな面と、仕事に対する厳しさを持ち合わせた方で、冗談交じりで、食材の説明や食事提供の仕方など親切に教えていただいたと思えば、料理の温度に対しては徹底的にこだわり、妥協を許さないという料理人としてのプライドを教えていただいたりと、本当にプロとはなんたるかということを身を持って示していただいたように感じました。

今回の料理は前菜の盛り付けも、陳さんと長田板長との共同作業による盛合わせで、中華の美味しさを通して和食の味の素晴らしさを実感できた献立だったと、お客様からお声をいただきましたのもうれしい事でした。

本日のお料理献立

一、先付　　くらげの酢の物

　　　　　　とろろチーズ饅頭

一、前菜　　蛤和風マリネ・フォアグラゼリー・桜花長芋・三色手網寿し

　　　　　　干し牛肉と押し豆腐・鯉の煮凍りトースト・四川風棒々鶏

一、お椀　　筍とり団子の翡翠スープ

一、お造　　春山作り・桜鯛・鮎魚女・赤貝・平貝

一、強肴　　車海老と茶樹茸・おこげの唐辛子甘酢炒め

一、焼物　　甘鯛難波焼き・丸十レモン煮

一、煮物　　青梗花のカニ卵フカヒレあんかけ　蒸しパン添え

一、止肴　　陳・麻婆豆腐

一、香物　　ザーサイと胡瓜の和え物

一、止椀　　蜆の赤出汁

一、ご飯　　れんげ米

一、水菓子　杏仁のアイスクリーム・大葉百合根大納言

また、今年もこのような企画を計画してまいりたいと思っております。

いよいよ明日は・・・。

料理企画第3弾！陳建一さんと長田板長のコラボレーション企画が明日に迫ってまいりました。

フランス料理・イタリア料理に続いての中華料理企画。前日入り込みで、本日から料理の仕込が始まりました。今から明日の料理が楽しみです。一流の料理人の方々の料理を食べることができることも幸せですが、一番幸せなのはこうしていろんな料理人の方々と、厨房で仕事をすることのできる、いしだの板前さんなのかもしれないなぁとも思います。

他国の料理のいいところを知ることは、日本料理の素晴らしさを知ることにもなるからです。日本人のよさというのも、意外と海外から客観的に日本を眺めたときに見えてくるものですから。

偶然ってステキですね

本日は若旦那が教員をしていた頃の友人が、卒業式を終えそのまま仲間をつれて宿泊にきてくれました。目を赤くしながら来てくれました。中学生の教え子たちを送り出した後です。

私と若旦那は結婚までの付き合いが長かった為、その間に彼が感動的な卒業式を経験してきているのを見てきました。目を赤くしながら宿泊にきてくれた彼の友人にあったら、久々に不安になってしまいました。

「あの頃を懐かしく思っているんじゃないかな･･･」「それにみおとりしないほどに現在を納得してくれているかしら･･･？」と。こんなことを思うのは失礼なのかもしれませんが、奥さんですもの、相手のことを思えばこそと許してください。

でも、今日はその友人が思わぬ情報を運んできてくれました。自分の学校の教頭先生の教え子が今年、石苔亭いしだの新入社員として入社するんですって。

今年当館には二人の新入社員が入ります。例年に並んでとても期待できそうな明るい子です。それでも、先生として頼れるところがあるというのは私達にとっても大変心強いものです。もちろん若旦那が同じ経験の持ち主だからこそ余計に心強いというものです。しかも、それが友人のいる学校の方であればなおさらです。

子供も育てた経験のない私に比べ、教師の経験がある若旦那はとても自然に社員とかかわることが出来ると思います。

今年から仲間になる子達も、周りにこれだけ応援してくれる方がいればきっと、力強く頑張ってくれることでしょう。

若旦那が教員であった事も、新入社員の元先生と私達の縁がつながった事も、現在に生かせるステキな偶然だと感じました。

日本伝統文化のかまえ

先日の茂山狂言の公演の際に、茂山千三郎先生からこんなお話をしていただきました。

「能・狂言や日本またはバリの踊りでもそうですが東洋の基本的なかまえは、腰をグッと落とした姿勢になります。それに対して西洋の踊りはバレーのように腰をグッと持ち上げます。

これは東洋と西洋の生活様式の違いが大きく影響していて、農耕民族である東洋人は、大地にしっかりと足をつけて作物を育ててそれを収穫する。西洋人は狩猟民族であって、空に向けて矢を放つ生活をしてきた。その習慣から腰を落とすかまえと、腰を上げるかまえに分かれてきました。

日本人が畳の生活がなんとなく落ち着くであるとか、すぐ靴を脱いで足を投げ出したくなるというのも、東洋人が大地に根ざした生活を昔からしてきたことの名残かもしれませんね。」

お行儀のよくないことはよく分かっていても、ソファーに座りながらついつい靴を脱いで足を上げてしまったり、ホテルに行ってもなかなか靴を履いたままくつろぐことができないというのは、日本人である以上仕方のないことなのかな・・・・と思い、そんな都会の生活に馴染みきれていない自分にとって、ちょっと安心できたようなお話でした。

料理屋さんに行って店員さんに「お座敷にしますか？テーブル席にしますか？」と聞かれたとき、これからは堂々とお座敷を選びたいと思いました。

逃げていくサービスマン

先日カレー屋へ出かけました。

隣にいたお客様がたまたま近くにいたサービススタッフに声をかけていました。「俺の方が先に注文をしたのにまだカレーがこないよ」と。

そこのカレー屋はオーダーをとるスタッフと届けるスタッフッがしっかりと決まっているらしく、その人はたまたま担当外の事だったのか「少々お待ち下さい」といって去っていきました。

又しばらくして近くにいたスタッフにお客様が「カレーがまだ来ない」ことを伝えるとやはり「少々お待ち下さい」といって逃げてしまいました。

仕事を正確に又効率よく行うために担当者制にしている事は大事な事だと思いますが、目の前のお客様はこれでは気分が悪いというものですね。「意思を伝えた自分はいったいどうしてくれるのか」返事がこないのですから････

仕事を行ううえで決められたことを行うのはもちろん間違った事ではありませんし基本的なことだと思いますが、その上で、お客様が今何を望んでいて、何に困っているのかを感じ取り行動に起こす事もまた自然なことのような気がしました。

売店販売促進会議

先週、石苔亭いしだの売店の業者の方々に集まっていただきまして、定例の「販売促進会議」が行われました。

その中で、若旦那が売店の商品についてこんな話をしていました。

「いしだのお土産は、ドライブインの箱菓子であってはならない。お客様がこの旅館で買い求めるお土産は、この旅館の一部を切り取って自宅までお持ち帰りいただくことのできる唯一のものである。そのお土産を開けたときに、旅館でのひと時が思い返せるものでなければいけない。

売店商品のテーマは３つ。一つ目は「匠の技」地元職人のてしおにかけた一品

二つ目は「土産」土から産まれたもの

三つ目は「御大切」私たちが使ってみてお客様にご紹介したいもの・・・です。」

なにか売店が変わっていく予感がしました。

第3回茂山狂言会

本日ご来場の皆様の中には第1回から起こしいただいているかたも多くおいでのことと思います。

回を重ねるごとに地元の鑑賞客も増え、顔なじみの皆様とお会いできるようにもなってまいりましたこと本当にうれしいことでございます。

第1回目は昨年の3月5日（金）に行われました。丁度その日思いがけない春の雪に迎えられ情緒深まる中、石苔亭いしだの創業20周年記念公演を行わせていただきました。

なんと本日もまた、3月だというのに雪がチラチラと舞いました。思いがけない偶然に驚いております。････がこれも、体が温まるほどにしっかりと笑っていただく為の茂山家からのささやかな演出だと感じます。

今回の公演はその名も「わわしい女がやって来た。」というタイトルで、なんとも不甲斐ない亭主のお話を2本見させていただきました。嫁と姑が婿をとことん嬲るといった、女性から見るとなんともすっきりとする内容でしたが、茂山千三郎先生と若旦那が、今回この演目で行こうと決めたのにも、なにか裏がありそうな気もいたします。

ご来館の皆様には本当に寒い中を起こしいただきまして誠に有難うございました。次回は「茂山狂言会による　お豆腐狂言　秋〜○○○〜」と題しまして9月16日を予定しております。今回のアンケートの結果　次回も夜の公演とさせていただくことに決めました。内容も今度は私も交えて決めてほしいと思っています。（しおらしい女性が主役のものとか・・・・）

次回、秋の公演にてまた多くの皆様とお会いできる事を心より楽しみにしております。

P.S

　N.Aさん,N.Tさん、いつも応援してくださって有難うございます。若旦那は熱も下がり、少し元気になって本日の勤めをはたしました。見舞いのメールをとてもうれしそうにスタッフミーティングでお話していましたよ。皆さんもお体に気をつけてください。春はもうすぐです！

若旦那です。

東京へ出張に行って風邪をこじらせました。やはり適度な休息が必要です。

旅館のスタッフにうつさないように今日は帰ります。

皆さんも風邪にはくれぐれもお気をつけ・・ゴホゴホ・・・くださいませ。

たまには若女将のいうことも聞くもんですね。

−反省−