若女将の日記

感性をやしなう。

サービス業でも他の職業でもそうですが、「感性」というものは大変重要になってくると思います。

昨日、お客様がチェックインの15分前に当館へご到着なさいました。お出迎えが間に合いませんでした。その時の若旦那からの一言。

「今日は満館。北風が強く吹いて、遠方からのお客様もいらっしゃる。小さいお子様をお連れのお客様もいらっしゃるということまで分かっていたら、そこから何か匂いがしてくるだろう。今日は何時何分に門を開けるか。これは嗅覚の問題だ。」

なかなか難しい注文をつけたものだと思い聞いていましたが、確かに毎日、こうしてお客様をお迎えしているわけですから、そういった感性というものは、他の職業の方よりも長けていなければならないと感じます。

ところが「感性」とか「センス」というものは、頑張ったからといって、なかなか一日二日でつくものではありません。

よく若旦那はスタッフに、時間を作って映画を観たり、本を読みなさいと言います。高級レストランにも何ヶ月に一度でいいから自分のお金で行きなさいとも言います。「美しい」ものを見て「美しい」と感ずる心。「醜い」ものを見て「醜い」と思う心。「ずるい」ことにたいして「ずるい」と素直に感ずる心こそ、自分の感性を磨く第一歩だと言います。

明日から2日間、私はお休みをいただきまして、苗場まで行ってまいります。ユーミンのコンサートへ「感性」を磨きに行ってきます。ん〜。これはただのお遊びでしょうか。

追伸：さっそく若旦那は、今日フロントの責任者とお客様が何時にご到着されるか、時間のあてっこを始めたようです。どちらの嗅覚が鋭いか見ものですね。

若女将の日記に・・・。

昨日、ホームページの管理者のカンチュンとの打ち合わせがありました。もっとお客様にとって見やすくて、魅力的なページをつくることができないかという議題で、「若女将の日記」についてこんな意見が出されました。

１、若女将の日記の色合いが長時間見ていると疲れくるのではないか。色合いについて再検討したい。

２、若女将の日記をきっかけとしたお客様の意見交換ができるページがつくれないものか。

３、文章だけではなく、写真なども掲載できないか。

その他、文章を書くときにはきちんと段落ごとに行変えを行い、お客様にとって見やすいページを心がけることといった意見も出されましたので、おとといから行変えをきちんと行うようにしました。（ここらへんで行変え・・・っと）

これからもお客様にとりまして見やすいホームページを心がけてまいりますので、ホームページについてなにかご要望やご意見などございましたら、お気軽におっしゃってくださいませ。現在のところ、「お問い合わせ」からご意見を送っていただくのがよろしいかと思います。

喫茶カウンターが変わりました。

当館のロビー能舞台横にあります喫茶カウンターですが、先日もお話しましたように、能舞台の照明がスタッフの工夫により変わった関係で、一日かけましてその雰囲気にあうように喫茶カウンターの照明の工事をいたしました。

これまでは蛍光灯の光が無造作にカウンターを照らしていましたが、間接照明やスポットライトなんかも設置されて、ちょっとお洒落なバーといった感じです。

私たちの旅館ではお客様にカラオケをご遠慮いただいております。施設の関係上、他のパブリックスペースまで、その音が聞こえてしまうからです。しかし、「紫宸殿の宴」が終わってもう少し、お酒を飲みたい、ゆっくりと雰囲気に浸りたいというお客様もいらっしゃいます。そんなお客様がゆったりとできるスペースになったかなと思います。

チェックインの時の凛とした表情の能舞台とはまた表情を変えた夜の能舞台「紫宸殿」は、しっとりとした大人のバーラウンジとして生まれ変わりました。

夜のひと時、是非ロウソクの灯りが揺れ、ゆったりした時間の流れるラウンジで心行くまでおくつろぎくださいませ。

「NO」と言わないサービス

現在、昼神温泉では温泉郷全体のサービスを向上しようという趣旨の委員会が発足し、各プロジェクト委員会に分かれて話し合いが行われています。先日の委員会で、こんな提案がされかなり話が盛り上がったようです。

「お客様の要望に対して「NO」と言わないサービスを昼神温泉で実践しよう。」

「そんなことは不可能です。できないことはできないと言った方が余計に親切なのではないですか。」

「できないことかもしれないけれど、できるように努力しようとする姿が大切なんじゃないか。お客様が要望していることは、お客様が困っていることでもあるのだから。」

「ある飛行機会社では、機内にない雑誌を持ってきてくれと頼まれた時には、ないことは分かっていても必ず探しに行き、代わりのものを探してくるようだよ。」

「ひとつの旅館でやることは可能であっても、温泉郷全体でそれを強制することは難しい。」

「難しいからこそチャレンジする価値があるんじゃないですか。だからこのプロジェクト委員会があるんでしょ。」・・・・・・・。

委員会が終わってもしばらくこの討論は続いたようです。

「NO」といわないサービスを提案したのは、どうやらうちの若旦那だったようです。こんな意見交換をみんなで熱く語るようになってきた昼神温泉は、これから変わっていくのかもしれないなと思いました。

羅城門

私たちの旅館のそれぞれの施設の名称は、源氏物語からその名前をいただいております。玄関の門の名前はその名も「羅城門」と言います。ホームページのTOPページでも羅城門は石苔亭いしだの象徴として真っ先に登場いたします。

その羅城門が最近これまでとは違った顔になっているのがご存知でしょうか。そう、私たちの旅館が「御宿　如月」の名前で、「温泉へ行こう５」のドラマのロケ地となったときに、ドラマスタッフの方々が、演出上、羅城門につけてくださった紫色の垂れ幕が、ドラマが終わった今でも、そのまま付けられているんです。今日は強い北風にあおられて、ばたばたと激しくたなびいておりました。

ちなみにドラマの中では玄関先でかがり火が焚かれておりましたが、私たちの旅館でかがり火に火を入れますのは、年に一度、羅城門の前にて行われます「紫宸殿の宴 野外」の時だけとなっております。

是非お近くにお越しの際には、そんな羅城門の顔も見ていってください。

若女将の代わりです。

今日は若女将が「若女将の会」出席のため、本日はわたくし若旦那が日記を書かせていただきます。

よりによってこういう時に、テレビ撮影が重なりまして、通常、料理の説明などは若女将がするところを、ピンチヒッターのわたくしがすることになってしまいました。レポーターの方は元C･Cガールズ藤森夕子さんでした。藤森さんの隣でお酒を注がせていただいたり、料理の取り分けなどをさせていただきましたが、実は、わたくし20代の頃にC･Cガールズのコンサートに行った事がありまして（若女将には内緒ですが・・・）そ・そ・その藤森さんが目の前にいるということで、ものすごく緊張をして、何を喋ったのかほとんどわからない状態で収録を終えてしまいました。

長野県内の方でしたら3月6日（日）の午後テレビ信州にて放送されますので、お恥ずかしい映像ですがご覧になっていただけたら幸いです。岐阜・愛知・静岡でも日は違いますが放送されるようです。笑ってやってください。

以上、若旦那の日記でした。

おしまい。

言葉ひとつの大切さ

最近、東京へ出張へ行った際にタクシーを幾度か利用する機会がありました。

いずれも次の会合へ急いでいたときでした。タクシーに乗り込むと同時に、会議が何時からあることを伝え、運転手さんに行き先を告げた時の、帰ってきた言葉が2通りありました。

「この時間、そこまで○○分で行くのは無理ですね。」

「お急ぎなんですね。なるべく早く着くように頑張りますので。」

どちらの運転手さんも、都内をそんなに強引な運転をすることなく、私を目的地まで届けてくれました。そしていずれも時間には間に合わなかった。

しかし、タクシーに乗っているときの気持ちや、目的地に着いたときの気持ちには雲泥の差がありました。運転手さんに無理を言っているのは十分、承知しているわけです。しかし電車よりもタクシーの方が1分でも早く到着できるだろうということで、タクシーに乗った。たとえ会議に間に合わなかったとしても、運転手さんありがとうと思えるのはどちらでしょうか。

言葉ひとつの大切さを感じました。

「やる」か「やらないか」

今日、2月の全体ミーティングがありました。

その中で若旦那からこんな話がありました。

「人には次の４つのタイプの人間がいる。

１、やりたいけれどできい人

２、やれない人

３、やらない人

しかし、この人はいずれも、「やらない人」で何もしないことに変わりはない。残るひとつのタイプは「やる人」。どんな言い訳をしようと、人間「やる」か「やらない」かのどちらかである。そして自分を変えていくにはまずどんなことでも「やってみる」ことをしなければ何も始まらない。失敗もあるだろうし、ほんのわずかの成功もあるだろう。しかし、その挫折感や達成感を味わうことのできるのも「やった人」のみが味わえることなのだ。」

今日のミーティングでは、スタッフ一人一人がお客様にどうすれば感動を与えることができるかを紙に書いて持ち寄り、各グループごとに真剣に話し合いました。思ったことを紙に書くこと、自分の声で発表すること、そして次はそれをやってみることが大切です。これからです。

大鹿歌舞伎

テレビでも何度か取り上げられております大鹿歌舞伎をご存知ですか？私たちの住む下伊那郡大鹿村で古くから守られてきている歌舞伎です。大鹿村の人々が自分たちの力で古い書籍を大切にしながら絶やすことなく受け通で着ている全国でも珍しい歌舞伎です。今に少なくなってきた大切な形が大鹿村には残されています。父、祖父、又そのおじい様たちから体で教え込まれてきた文化。先日は小学生の子達から舞台に立てることを誇りにしながら今も稽古を真剣に行っている姿をテレビの特番で見たことがあります。とても感動的でした。本日はその大鹿村の方々が当館へお越しくださり能舞台にてその大鹿歌舞伎を行っています。ライブビデオをご覧いただきましたでしょうか。私たちは両親からまかされたこの石苔亭いしだで能舞台を利用し多くの方に伝えてゆきたいと思っています。それは歌舞伎にしても3月に行われる狂言にしても、毎晩行われている舞台演奏にしても、完成された形や舞台ではありません、「それが何なのか」言葉で伝えるにはなんとも適切な言葉が思いつきませんが、日本人の生き様、伝えたいと思う熱い心、本物の姿、関わってきた人々の姿、そんなもの全てが尊いと感じていただきたいと感じています。大鹿歌舞伎を支えていた村人たちは今の時代なかなか感じることが難しくなった家族や隣人を愛する自然な空気をが耐えなかったからこそ今に残ってきているようにも感じられます。皆様にはどのように感じられますでしょうか？

温泉へ行こう5最終回

とうとうドラマ「温泉へ行こう5」の最終回を迎えることとなりました。

昨年の8月より当館のロビーや玄関で行われたドラマ撮影でしたが、こうして最終回を迎えてみると、その何ヶ月もあっという間だったような気がします。当館のスタッフも毎日仕事の合間を見ては食堂のテレビの前に集まり、ドラマに釘付けになっていました。

真夜中の厳しい寒さの中での撮影や、スタッフの方々と一緒にズボンを捲り上げて露天風呂掃除、緑山スタジオで緊張感いっぱいの初ドラマ出演など、思い返しますと本当に思い出深いことばかりでした。大変なこともたくさんありましたが、他の旅館の方や地域の方から「ドラマ毎日見ているよ。明日が楽しみだね」などと言っていただくと、ついつい自分のことのように嬉しくなりました。

作家の先生方とは、ドラマの完成パーティーの際にお話させていただく機会があったのですが、人気シリーズのストーリーを常に新しい視点に立って作りあげていくことの難しさと、いい意味で見ている多くの人たちの期待を裏切りながら新しい温泉へ行こうというドラマの断面を見せていこうとする熱意と情熱に感動しました。

最終回を見終わって、寂しい・・・という気持ちと同時に、ご苦労様でしたという気持ちで胸がいっぱいになりました。

そして、撮影にご協力いただきました多くのお客様に心から感謝申し上げます。

ありがとうございました。