先日の茂山狂言の公演の際に、茂山千三郎先生からこんなお話をしていただきました。
「能・狂言や日本またはバリの踊りでもそうですが東洋の基本的なかまえは、腰をグッと落とした姿勢になります。それに対して西洋の踊りはバレーのように腰をグッと持ち上げます。
これは東洋と西洋の生活様式の違いが大きく影響していて、農耕民族である東洋人は、大地にしっかりと足をつけて作物を育ててそれを収穫する。西洋人は狩猟民族であって、空に向けて矢を放つ生活をしてきた。その習慣から腰を落とすかまえと、腰を上げるかまえに分かれてきました。
日本人が畳の生活がなんとなく落ち着くであるとか、すぐ靴を脱いで足を投げ出したくなるというのも、東洋人が大地に根ざした生活を昔からしてきたことの名残かもしれませんね。」
お行儀のよくないことはよく分かっていても、ソファーに座りながらついつい靴を脱いで足を上げてしまったり、ホテルに行ってもなかなか靴を履いたままくつろぐことができないというのは、日本人である以上仕方のないことなのかな・・・・と思い、そんな都会の生活に馴染みきれていない自分にとって、ちょっと安心できたようなお話でした。
料理屋さんに行って店員さんに「お座敷にしますか?テーブル席にしますか?」と聞かれたとき、これからは堂々とお座敷を選びたいと思いました。
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