若女将の日記

夏越の祓いのヒトガタ

今日もたくさんの方が、夏越の祓いの茅の輪をくぐって、ヒトガタを納箱に奉納していかれました。ヒトガタとは、ひとの形をした紙で、自分の身代わりとなって厄払いをしてくれるものです。神社などでよく見られるのは、白い紙でできた頭が三角でやっこさんのような形をしたものですが、昼神温泉では五色のヒトガタで表情も少し可愛らしいものになっています。

今回、ヒトガタの色を五色とさせていただきましたのには理由があります。

ヒトガタ祓いは、厄をヒトガタに移して最後はお焚き上げするというもので、七夕のような自分の願いを込めるものとは違います。しかし、昨年の夏越の祓いでは、お客様の中にヒトガタに願いを込める方もいらっしゃって、中には「合格祈願」「無病息災」などと書かれる方もいらっしゃいました。ヒトガタに書かれたものは祓われてしまいますので、「合格祈願」はすなわち不合格となっていまい、「無病息災」は災いを招きこんでしまう結果となってしまいます。すにわちヒトガタには「逆願い」を書かなければならないということです。これが初めて体験されるお客様には難しいということで、今回の夏越の祓いではあらかじめ意味のある五色のヒトガタをご用意させていただきました。

五色のヒトガタにはそれぞれ次のような意味があります。

青（緑）･･･肝臓・胆嚢の病気祓い・寅年・卯年の厄払い

紅（赤）･･･心臓・小腸の病気祓い・巳年・午年の厄払い

玄（黒）･･･腎臓・膀胱の病気祓い・亥年・子年の厄払い

黄･･･脾臓・胃腸の病気祓い・辰年・未年・戌年・丑年の厄払い

白･･･肺・大腸の病気祓い・申年・酉年の厄払い

ご自身の干支の色を選んでいただいてもよし。お体の様子で色を選んでいただいてもよし。お好きな色をお選びいただき茅の輪をくぐってみてください。

呈茶の研修

現在、石苔亭いしだの玄関先には、「夏越の祓い」の茅の輪が設置されており、その輪をくぐっていただき、半期の厄落としをさせていただいております。「夏越の祓い」では「水無月」という和菓子も一緒に食べて、これから半期スタミナをつけるという風習があり、昼神温泉でも茅の輪をくぐっていただいたお客様には、それぞれの旅館で和菓子を提供させていただいております。

今日はお客様のいない時間をみはからって、和さん～やわらぎ～（仲居）の呈茶の研修を行ないました。新緑の気持ちのいいこの時期、お客様方には外での呈茶をお勧めしております。阿智川からの爽やかな川風が石苔亭の前庭を吹き抜け、とても気持ちがいい季節です。和菓子を食べながらお抹茶も美味しく召し上がっていただこうと思い、茶室から釜を出して野点風な室礼をこしらえてみました。

初めて研修を受けるスタッフもいて、服紗の扱い方や茶筅の置き方など一つずつ教えていきました。だんだんとお茶が点てられるようになっていけると思います。石苔亭いしだの野点は、朝８：３０～１３：００までの間、石苔亭いしだの前庭にて毎日行なっております。ご宿泊でないお客様も結構ですので、どうぞお気軽にお立ち寄りくださいませ。

※和菓子とお茶は無料ですが、お抹茶は有料（５００円）となります。

夏越の祓い ヒトガタグッズ

夏越の祓いでは、ヒトガタをした紙を自分の身代わりとしてお焚き上げすることで厄払いをします。ヒトガタと聞くと、呪いのワラ人形などがイメージされ、ちょっと気味が悪いと思う人もいるかもしれませんが、実は日本では昔から生活の中に根付いている風習の一つです。

※ヒトガタストラップ試作第１号。フェルトで作っていただきました。ちょっとオバQっぽいでしょうか。

雛祭りもヒトガタ一種だと言われます。七夕の時期にヒトガタを川に流す風習が今でも残っているところがあります。タイで流行っているお守りのブードゥー人形をかわいらしく現代風にアレンジした「ポクポン」という携帯ストラップも日本のあちこちで見かけます。「ポクポン」とはタイ語で厄除け、お守りの意味を表しているそうです。

今、若旦那が取り組んでいるのは、このヒトガタをテーマとしたストラップの制作です。日本の昔からの風習や神事の中で使われてきたものだけに、制作には慎重に慎重をきしています。二千体雛飾りでもお世話になった地球屋さんに相談にのってもらいながら、試作に試作を重ねています。肌触りや大きさ、表情や配色など、細部にいたるまでこだわりにこだわりぬいています。夏越の祓いが本格的に始まる６月には間に合わせたいと、若旦那が言っていましたが、さてさて、こればかりはどうなるのか分かりませんね。また、進み具合をお知らせしていきたいと思います。

※ヒトガタストラップ試作第２号。肌触りは抜群です。顔をはっきりさせるために首を輪ゴムで縛ってみました。ちょっとかわいそうな感じですが試作ですので･･･。

新型インフルエンザ緊急対策会議

関西方面で新型インフルエンザの感染者が９６名に達したという情報を受け、本日、石苔亭いしだ内にて、「新型インフルエンザ対策会議」が、幹部クラスが緊急召集され行なわれました。

若旦那から「私たちが一番守らなければならないことは、お客様の安心と安全である」という話がされ、新型インフルエンザ対策として以下の内容が決定し、石苔亭いしだのスタッフは、さっそく本日から対策に向けての準備を始めました。

①お客様がお使いになる客室は、すべてアルコール殺菌をすること。
②清掃スタッフは、全員、消毒うがいを徹底し、マスク着用にて清掃すること。
③サービススタッフは、全員、消毒うがいを徹底し、定期的な検温を実施する。１℃以上の体温の上昇が認められた場合は、保健所の検査を受け自宅待機。
④サービススタッフのユニフォームは、殺菌処理を行なう。
⑤チェックイン・チェックアウトは客室にて実施し、パブリックスペースはなるべく使わないようにする。
⑥喫茶などの席は、2メートル以上の間隔をあけて設置する。
⑦ロビー・大浴場などのパブリックスペースの定期的なアルコール殺菌を徹底する。
⑧客室にマスクを設置。ご宿泊のお客様全員に配布する。

他にも細かな点について話し合われました。近々、ホームページ上でも石苔亭いしだの対応についての内容がアップされる予定です。大阪府では学校が７日間の休校になったそうです。一番いいのは感染が最低限の範囲で終息することですが、多くのお客様方の安全を確保しなければならない私どもにとりまして、今回の対策は最優先すべきことだと思っております。安全確保にやりすぎということはありません。なにかご質問などござましたら、お気軽に当館までお尋ねくださいませ。

    

うどんの小池のうどん

いつも私たちがお昼を食べに行っている「うどんの小池」さんの“うどん”

とても美味しいうどんです。コシがあって味付けはシンプルでありながら味わいの深いものです。若旦那の友人でもある小池さんが試行錯誤を重ねながら、美味しいうどんのメニュー作りに毎日励んでいる結果です。狂言の茂山千三郎先生もこの店のうどんの大ファンで、先日、一緒にお昼に出かけた時に、小池さんが、千三郎先生と私たちに夏に向けて試作した水でさらした「ころうどん」を出してくれました。ただでさえコシがあるうどんが、水にさらすことで引き締まり更に弾力が増します。その上、薬味の天カスがいつまでたっても冷水の中でパリパリしていました。

※写真は「田舎うどん」人気メニューです。

今日もお昼を小池さんにみんなで食べに行きました。

今日は朝から雨で寒かったこともあり、温かな「田舎うどん」や「釜たまうどん」を食べました。若旦那はいつも大盛です。今日は“ばくだんご飯”もメニューにあって一緒にいただきました。あいかわらず今日も美味しいうどんでした。

※写真は、名物「たまかまうどん」　ちなみに若旦那用の大盛・辛味天かす付です。

「うどんの小池」は、石苔亭いしだから飯田方面に５分ほど行ったところです。是非、こちらにお出かけの際には寄ってみてください。

場所：国道１５３号線沿い　スーパー「PIA」横　火曜定休日（連休の場合もあり）

エビスストーブのハリネズミ

若旦那が昔からお気に入りのハリネズミの形をした薪ストーブ作家の斉藤さんが、今日、知人の社長さんの紹介で石苔亭いしだにお出でいただきました。現在、麻績村に住んでいらっしゃって、製作活動を続けていらっしゃるそうです。

若旦那は今から１０年ほど前に、長野市の善光寺近くの骨董品店でこのハリネズミのストーブをみかけて以来ずっとそのストーブのことが頭から離れなかったようです。今年か来年、自宅を建てようという話になった時、まず最初にリビングの暖房の鼻sが出ました。その時、知人の社長さんのご自宅にこのハリネズミストーブを発見し、その社長さんを通じて、今回、エビスストーブさんをご紹介いただいたといった経緯です。若旦那の１０年来の念願かなってやっとハリネズミストーブの製作をお願いすることになりました。

ハリネズミストーブの製作はちょっと骨の折れる仕事のようで、直径３ミリの細い針金を一本ずつストーブのボディにひたすらくっつけていく作業のようです。ハリネズミの自然な丸みが出るように、針金の長さ別に色分けしながら溶接していきます。頭の部分だけでも１０００本を越える針金をくっつけるとおっしゃっていました。おそらく全体では１万本以上の針金を使うことになるだろうとのことです。どんなハリネズミストーブになるのかは、できてみないと分かりませんが、完成を楽しみに待ちたいと思います。

※斉藤さんのアルバムから･･･なんとなくハリネズミの様子がわかりますか。

昼神の夏越祓え新聞掲載

昨日行なわれました「昼神の夏越祓え」の記事が、地元新聞に掲載されました。ご紹介いたします。

※南信州新聞社

※信濃毎日新聞社

愛知県の岡崎のFMラジオでも、夏越の祓いの件をご紹介していただいたようです。

有難うございます。

夏越の祓いプレスリリース

本日から始まります「昼神の夏越祓え」のプレスリリースが、午後行なわれました。庭師の横前さんが数日前からかかりきりで設置していただきました茅の輪も、なんとかプレスリリースの直前には完成しました。

石苔亭いしだの茅の輪は、「無病息災」にかけあわせまして、六つの茅の輪が設置されています。それらの茅の輪をくぐると、石苔亭いしだの御神木である「石抱きケヤキ」の前に出ます。ケヤキの前には、ヒトガタの納箱と神殿が置かれているので、その箱に自分の身代わりである「ヒトガタ」を入れます。ヒトガタの色は全部で５色あります。

本日のプレスリリースでは、まず塩原良さんの和太鼓の演奏が行なわれました。５月１１日から約１ヶ月間、昼神温泉の観光センターで「生命 出発～いのちたびだち～」という舞台が行なわれています。和太鼓の響きで温泉郷を訪れるお客様に元気になってもらいたいというもので、本日は「命導～めいどう～」という演目を披露してくださいました。

その後、若旦那から夏越の祓いについての趣旨説明がされ、今回の行事で和菓子の提供をしていただく飯田和菓子組合の方からお話をしていただきました。昔は小豆が貴重なもので、厄払いをすると同時にスタミナをつけるという意味で、小豆の入った水無月という和菓子を、夏越の祓いと一緒に食べたそうです。今回の行事では各施設に飯田の和菓子の店舗が１店舗ずつ入り、それぞれ茅の輪をくぐったお客様に和菓子が無料提供されます。それぞれの和菓子屋さん自慢の和菓子を、厄払いをしながら何種類も食べてみてください。

説明などが終わり、熊谷神主さんに茅の輪の「清祓いの儀式」を行なっていただきました。旅館関係者の方や儀式に参加していただいたお客様が他と一緒に、茅の輪を全員でくぐりまして、夏越の祓いが正式に始まりました。これから他の旅館にも茅の輪が順次設置されていきます。昼神温泉にいらっしゃいました際には、どうぞたくさんの茅の輪をくぐっていただき、いろんな種類の和菓子を召し上がっていってくださいませ。

※各旅館内には和菓子の店舗が、この時期だけ特別出店しており、和菓子をお買い求めいただくこともできます。

若女将の日記のバックナンバー

多くの皆様からリクエストがございました「若女将の日記」のバックナンバーですが、本日、ホームページ上にアップさせていただきました。石苔亭いしだのホームページのサーバーが移転した際に、一時的にそれまでの日記の履歴を見ることができなくなっていましたが、紫宸殿の宴でもお世話になっている二胡のうみたこさんに、形式を全部変えていただきまして、本日アップすることができました。

バックナンバー初期の２００４年の頃の日記を見返してみますと懐かしい気になります。しかし、更にこの数年前から「若女将の日記」は始まっており、最初の日記でどんなお話をさせていただいたのかは、私自身も覚えていません。

お時間のあるときにでも、若女将の日記のバックナンバーもどうぞご覧になってください。

 

新入社員歓迎会

昨日は休館日とさせていただきまして、新しく石苔亭いしだに入ったスタッフの歓迎会が行なわれました。ゴールデンウィークの慰労会も兼ねており、毎年この時期に行なわれる石苔亭いしだ恒例の懇親会です。

レクレーション係のスタッフが随分前から準備を進めてくれており、昨晩の歓迎会は大いに盛り上がりました。（二次会のカラオケは４時間以上も歌っていたそうです）

旅館で着物を着ていると、なかなか思い切り弾けることができませんが、こうして私服で集まって、肩の力を抜いて話していますと、あらためて石苔亭いしだのスタッフの若いパワーとエネルギーを感じることができました。会の中で新入社員から入社してからこれまでの感想発表がありました。今年の３月にはじめて石苔亭いしだの門をくぐった時とは、話し方や表情など見違えるほどしっかりしていることに驚かされました。同時にこれまで新入社員の細かな所作や言動まで指導してきた各部署のスタッフにも頭が下がりました。

会の中で、今年の９月に７０歳になられる村上茂さんの「古希のお祝い」もありました。係がケーキを用意してくれていて、スタッフ全員のかけ声で村上さんがローソクの火を消すと、全スタッフからの大きな拍手でお祝いがされました。

今日はお客様をお迎えする前の時間、全スタッフが大広間に集まり、「夏越の祓い」のおもてなしの仕方、新しく始まる「アラカルトメニュー」の説明などの研修を受けました。昨日のはしゃぎようは本当だったのかと思うほど、皆、仕事モードの顔にもどっていたことにも感心しました。