昨日、南信州の4村にまたがっての「味くらべ大会」が行なわれました。これは昨年から活動を始めています「神ぐ和しの里〜かぐわしのさと〜プロジェクト」の年間行事の「豊穣のなおらい」に位置付けられる10月の行事となります。
9月に栗矢神社で1ヶ月にわたって行なわれた「栗矢の無礼講」が、自然の恵みへの感謝祭ならば、「豊穣のなおらい」は神様からいただいた作物に、人間が手を加えて料理して、里人皆で喜びを分かち合うというのがこの行事の趣旨です。
昨日の味くらべ大会では、幸いにも私たちの旅館が今年の優勝看板を手にすることができましたが、この大会で一番大切なことは、この地域の料理人がこの地の食材の魅力を再発見し、お客様方にこの地域ならではの味や風味を味わっていただくこと、そして、この地域に住む私たち住民が、大地からの恵みに対しての感謝の気持ちを思い出すことにあります。
「神ぐ和しの里」では、年間を通してこの地域に伝わるお祭りや風習に触れることによって、田舎の素朴さや忘れていた故郷の風景を思い出していただくことを目的としていますが、私の中の本当の目的は「人間が自然とうまく折り合いをつけて暮らしていくこと」です。
「もったいない」「おかげ様で・・・」は、日本人特有の言葉です。
現代の人間社会が忘れてかけている“ものや命に感謝する心”を、これら神ぐ和しの里の行事を通じて、まずは私たち南信州の村民が気付いていけることができたなら、きっとそれはこの国や世界も変わっていける可能性を大きく秘めているのだと思います。
はじめは一人だったこの「神ぐ和しの里プロジェクト」も、今は少しずつ協力者が増えてきてくれました。もう少しでなにかが大きく変わっていける気がしています。