お久しぶりでございました。若旦那です。
日頃、若女将の日記をご覧いただいておりまして有難うございます。
今朝から、若女将が病院へ入院し、出産のための準備に入りましたので、ピンチヒッターとして、しばらく私が日記を書かせていただきます。
高齢の夏のイベントとなってまいりました「紫宸殿の宴・野外」ですが、年々、鑑賞されるお客様が増え大盛況です。毎晩、能舞台で行なっている舞台を、この時期に野外で行なおうと思ったのには、いくつかの理由がありました。
ひとつは家族連れのお客様の多いこの夏休みの時期、この昼神温泉へいらっしゃった皆様に、少しでも多くの思い出を作って帰っていただきたいという思いです。この時期だけは、石苔亭いしだのお客様ばかりではなく、他の旅館のお客様も、この野外ステージを楽しみにして来てくれます。
「去年は人形芝居だったけど、今年はなんだい?」
「今年の二胡の演奏は、去年にましていいねえ。」
いろんな方々のお声が聞こえてきます。
野外でのステージを始めた他の理由は、ここ石苔亭いしだから私たち温泉郷自身に向けたメッセージです。昼神温泉郷に来られたお客様が、この温泉郷を好きになってくださらなければ、決してそれぞれの旅館がお客様に喜ばれるようにはなっていきません。今晩は、うみたこさんの演奏に合わせて、昼神温泉に来られた様々な浴衣を着たお客様方が、童謡「ふるさと」を合唱されていました。アンコールの「世界にたった一つだけの花」では、観客全員から手拍子が起こりました。温泉郷のそれぞれの施設がちょっとずつでも,なにか昼神温泉郷全体のことを考え始めたら、きっとこの温泉郷はもっといい方向へ変わっていけるはずです。
はじめの頃は、他の施設のお客様が、かえって遠慮されてしまうこともあり、私たちがやろうとしていることが、お客様に届いているのか不安な時もありましたが、「来年もやってくれるんだろ。」というお客様の声を聞くと、こうして野外伝ステージをの5年間続けてきて良かったなと思うことができるようになりました。
紫宸殿の宴・野外はあと2日間続きます。どうぞどちら様もお寄りくださいませ。お待ちしております。