今年2月に完成しました、花散る里の1室をご紹介したいと思います。写真のお部屋は121(胡蝶)です。以前と間取りは同じです。8畳の本間と4.5畳の次の間にサンルームが加えられました。
今回の改装では、床の間の壁を土壁にして、その風合いが出るように間接照明を取り付けました。次の間は掘りごたつにしまして、外がのんびり眺められるようになっています。これら花散る里の改装で大切に考えたことは、昔の面影がのこるどこか懐かしい空間です。大きいばかりが贅沢ではなく、10畳一間という日本人にとって丁度好い広さの魅力が、最大限いかせうように、外からの光の入り具合までこだわって、若旦那が設計しました。
先日、このお部屋から見える庭に「あけび」の苗を植えました。まだ写真のように貧弱ですが、来年頃には生垣に「あけび」が実をつけてくれれば、一層お部屋での季節感も深まることと思います。床の間には信楽焼きで有名な保庭先生の作品の花器にお花を活けさせていただきました。土壁との愛称がよく、未熟な私のお花でも、少しは様になって見えるものだと嬉しくなりました。
「あけび」と「お花」とがお客様に安らぎの風を運んでくださることを楽しみにしたいと思います。