2日ほど前から花散る里の残り2Rが改装工事に入りました。このお部屋は当館がまだ10Rしかなかった頃に大広間として使用していた場所です。そのお部屋に壁をつくり平成になる前から客室として使用していたお部屋です。
現在の客室の中ではオープン当初の面影が一番残っている場所といってよいかもしれません。時代と共に高額商品として売り出すお部屋が出来上がる中、お部屋のギャップに苦労してきたこともあります。反面、部屋から見える庭の眺めはお客様から非常に喜んでいただける場所でありました。
秋に見せるドウダンツツジの見事な景色は私たちに自然の恵みを十分満喫させてくれるものです。この度の改装では上手に石苔亭いしだの歴史を崩さないまま行うことに致しました。
まず、15畳という広さのあるお部屋を生かし天井を抜いてみることにしました。すると立派な柱が2本姿を現したのです。何か生かすことは出来ないかと思案はしてみるものの若旦那は一生懸命出来上がりをイメージしてアイデアをだしています。
ふと、昔天井裏に野生動物が住み込んでしまいお客様や私達を悩ましたことを思い出しました。喧嘩して駆け回る足音や泣き声に驚かされたり、匂いに悩まされたり、そのとき天井裏に上った人が動物の糞が「てんこ盛りになっていた」と話を聞いたこともあります。その場所がきっとこの柱だったのでしょう。(ちなみにそのような特徴的な糞をするのはハクビシンだと聞いています)
こうして壊して知ることの出来る石苔亭いしだの歴史に不思議な感情が湧いてきて、私たちの石苔亭いしだへの思い入れは強くなり、だんだん本物になってくるように感じます。両親から引き継いだ大切な時間を自分のものとして発展して行けることに自信と誇りをもち、多くのお客様に愛されるよう頑張って参りたいと思います。
出来上がりをまた、楽しみになさっていてください。
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