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お待たせをいたしました。石苔亭いしだのHPの携帯版が今年の10月1日にいよいよスタートいたします。
先日、製作者のカンチュンと打ち合わせをさせていただいた際に、ちょっとサンプル画面を見させていただきましたが、宴の出演者のプロフィールや部屋のタイプごとの写真などかなり念入りにつくってあって、携帯の小さい画面で見るのにはもったいないほどの出来上がりでした。お客様方に使っていただきやすいようにもう少し手直しをしながら、10月1日スタートに向けて進行中です。
完成いたしましたら、アドレスをお知らせいたします。お楽しみに！
社長の自宅にあった蓄音機を修理に出していたのですが、それがやっと直って来ました。当館にはＣＤプレーヤーやアナログレコードプレーヤーなど、様々な音を出す機械がありますが、蓄音機の構造ををあらためて見てみますと、本当に単純な音を出す作りに驚かされます。
レコードの溝にそって鉄針が回転していく・・・・それだけなのにきちんとスピーカーからは幾重にも折り重なったハーモニーのクラシック音楽が流れてくる。レコードとはそういったものだといえばそれまでですが、人間があらわれては消えていってしまう「音」というものを、永遠に残そうとした知恵の素晴らしさを感じることができました。
デジタル処理されたCDなどとはまた違った、どこか懐かしい音に出会えることができました。SP盤がなかなかないのですがこれからゆっくり探していきたいと思います。
例年にくらべると、今年の夏は夏が暑かったり、台風が多かったりといつもの夏とはちょっと違う陽気だったように思います。もう9月になったというのに昨日は30度くらい日中は気温が上がりました。そうかと思えば朝晩は19度くらいまで下がりますので、着るものにも困ってしまいます。館内の空調も冷房にしたり、暖房にしたりとせわしなく切り替えをしております。
寒暖の差が激しい年は、紅葉がきれいだと言われます。私たちの旅館の玄関から見えます網掛山も今年は真っ赤になってくれるといいなあと思っています。
地元のマツタケも例年より早く朝市に出始めました。夏の暑さを我慢したご褒美に神様がとびっきりの秋を用意してくれているといいのですが・・・。
昼神温泉の紅葉の見ごろは10月下旬〜11月下旬です。ヘブンスそのはらのロープウェイではその2〜3週間前にはもう見ることが出来ると思います。食材も豊富に揃ってくる時期になってきますので、ぜひとも昼神温泉にお出かけくださいませ。
オリンピックが終わってしばらく経ちますが、室伏選手の元にやっと繰り上がりの金メダルが届くようです。ドーピング疑惑の選手はいまだドーピングについて否認をしているようですが、あるテレビ番組でこんな話を耳にしました。
「昔と比べるとずいぶんとドーピングをした選手を見つける技術は進歩した。しかし、これからは遺伝子の組み換えによって、オリンピック選手を造ることも可能になってくる。」
そんな話を聞きながら、もはやオリンピックは「平和の祭典」などではなく、相手をたおし勝つことだけを目的としたもはやスポーツマンシップなどというものはほど遠い各国の技術の競い合いの祭典になってしまう気がして、なんだか悲しくなりました。
アメリカはこんな技術でこんな肉体改善をしましたとか、フランスはだれとだれの遺伝子組み換えによってこんな選手が誕生しましたとか・・・・。
なんでもそうでうが、そのものが始まったときの純粋な精神というのはいつまでも忘れてはいけないなと思いました。
以前、チェックインの際のBGMのお話をいたしました。有線から流れる琴の音をやめにして、代わりにどんな音を流そうかというお話だったと思います。
ロビー中央部にあります中庭には現在水を通しまして、水が石を流れ落ちる音がしております。この音は水琴屈の音とともに翌朝お客様をお迎えする音として流しております。
私たちのロビーには能舞台がありますので、これまで何の疑いもなく和の音色の代表でもある「琴」の音を流していました。ところが、「琴」の音というのは落ち着こうと思って聞くと、どうも今ひとつ体に馴染まない音色で、どこか緊張感が漂うというか、寄せつけないものがあるというか・・・・。同じBGMを他の旅館やホテルでも聞いたことがありますが、やはり同じような感じを受けました。
ジャンルを問わずロビー空間にいろんな音色を差し込んでみました。
ZAZZ・クラッシック・ビートルズ・虫の鳴き声・尺八・笛・能・狂言・・・・。
ロビーにてゆったりとコーヒーを飲んでいただいたり、おくつろぎいただくために私たちが最終的に選んだのはピアノの音色でした。
能舞台のほどよい緊張感と、緩やかなピアノの音色があいまってなんともいえないロビーでの音空間となりました。
チェックインのピアノの音色。夕食後の宴での生演奏。拍子木の「火の用心」。翌朝の水琴屈の音。チェックアウトの時の火打石の音。いしだの音の流れができあがりました。ちょっと耳を傾けて館内でのBGMも聞いてみてください。
７月にオープンいたしました「男の隠れ家」をテーマとした客室は、お蔭様で多くのお客様方にご好評をいただいております。
しかし、やはり好まれて旅行を楽しまれるのは女性のほうが多いということもありまして、今回客室を少しばかり模様替えをいたしまた。
女性が旅館の客室に通されて、しばらくぶりのゆったりとした時間を確保できたときに、なにをしたいか・・・・・・。いろいろ考えてみました。若旦那は男性のための趣向品ならよくわかるようですが、女性のことはどうも苦手のようです。
フェイスパックや化粧水を置いたらどうかという案がありましたが、なかなか肌に触れるものはデリケートですのでこれは却下となりました。
油取り紙を置いてみたらとも考えましたが、お風呂に入った後さっぱりしたところで油取りでもないだろうということでこれまた却下。
いろんな方々の意見を聞きながら今回客室にお入れすることになったのが「ネイルケアセット」です。なかなか日ごろ手入れをしたくてもできないのが爪の手入れです。今回ご用意させていただいたのは、ヤスリ・磨きパフ・ブラシ・甘皮取りがついた本格的なお手入セットです。ヤスリにも粗めのものからポイントヤスリまで全部で６種類もあり、どんな形状の爪でもきれいに整えることができます。お風呂からあがって部屋から庭を眺めながら、ゆっくりと爪のお手入れもいいかなと思います。
アロマオイルとゆったり座れる深めのチェアーもご用意いたしましたので、ぜひ女性のお客様にお使いいただけたらと思っております。もちろん男性のお客様も大歓迎でございます。ちなみに若旦那も、現在ネイルケアにはまっておりまして、爪の形をヤスリで整えるのに熱中しております。
ご紹介いたしました客室は４部屋ございますので、ご希望のお客様はご予約の際にお申し付けくださいませ。「花散る里」タイプのお部屋でございます。
本日の演目「萩大名」と二人袴」でした。とてもハリのある素敵なお声の出演者の皆様、この迫力は石苔亭いしだでしか味わうことが出来ません。どことなく漂う緊張感、舞台で行われる「ほんまもん」の人と人との絡み合い。そして日本も文化を継承してゆく若者のパワー。熟練された先生方とは又一味違う「何か」を感じます。その「何か？」が私には「未知の可能性」や「未来」「希望」「追求」「人間」といったものに感じられています。舞台を見終わった今、60分以上たってさらにその思いが強くわきあがってくるようなのです。それが「ほんまもん」なのかなー･･･と改めて茂山家のお豆腐狂言から学ばせて頂きました。石苔亭の舞台公演は観客席と舞台の方々との距離が非常に近いため、今回ご鑑賞いただいた皆様には私の伝えたいこと、感じたことをきっと理解していただけると思います。
次回の公演、人間国宝茂山千作先生をお招き致しまして3/12（土）と決めさせていただきました。皆様のご来場楽しみにお待ちいたしております。
p.s本日の演目「二人袴」の兄弟役がこれまた、茂山宗彦さんと茂山逸平さんでしたので、非常にリアルで楽しかったです。茂山家の皆様二日間本当に有難うございました。
県内外からのお客様で会場は満席となりました。
本日公演１日目の演目は「棒縛り」「察化」「神鳴」の３演目でした。いずれも主人のいない間に酒をぬすんで飲んでしまったり、人を騙したり、脅したりといった内容のものなのですが、登場人物のすべてがどこかにくめないのは、基本的に狂言自体が、人間の良いところも悪いところも含めて「人間らしさ」とした上で、それぞれの演目に人間愛というものが込められているからだと思いました。公演後のアンケートで以下のようなご意見ご感想が寄せられました。
◆狂言は難しいものだとずっと思っていましたが、こんなに面白くて楽しめるのだと初めて知りました。ありがとうございました。
◆とてもわかりやすく楽しむことができました
。地方で一流の公演が見ることができて感激しています。
◆とても楽しく出演されている方々の姿がとても美しく感じられました。笑いだけではない日本の伝統を見せていただきました。
◆おじいちゃんの顔がとってもかわいく見とれてしまいました。
◆本物の狂言をこんなに近くで見ることができて幸せです。表情や息づかいまで肌で感じることができました。
明日は公演２日目です。演目は「萩大名」「二人袴」の２演目です。狂言の中でも代表的な演目ですので、きっと明日も楽しい一夜となることと思います。今から楽しみです。
後ろのほうの席にはなりますが、若干お席に空きがございますのでご鑑賞をご希望のお客様は当館までお問い合わせくださいませ。
宴が行われて先月で３年目に突入いたしました。当初から私たちと共に多大なお力をお貸しいただいております、大倉こずえ様。もう皆さんはよくご存知ですよね。地歌三味線とお琴の奏者。
本日大倉様の音色を聞いていてふっと、風を感じてみたくなりロビーの自動ドアを開けてみました。「少々風が強いかな」と心配もあったのですが、私は着物を着て動いているものですから、つい「大丈夫かな･･･」と判断をし、それよりも自然の風を感じながら、古くからの歴史をもつ音を皆さんにゆっくりの感じていただきたいと思ったのです。そうしたとたんどこからともなく急に、三味線の音色に誘われてなのか「秋の虫」が止まることを忘れたかのように鳴き出しました。あれはおそらく「こおろぎ」だと思います。ロビーにある坪庭のどこかに潜んでいたのですね。こおろぎの鳴き声と三味線の音色、そして大倉様の素敵な地唄と三拍子そろった演奏会となりました。おそらくお客様の頬は風にふれ、遠くからは木々のゆれる音が聞こえてきたことと思います。お席のロウソクの灯火に心を奪われながら、ご鑑賞の皆様は「さかのぼる時の流れ」を感じたか、それとも「甦る時の流れを」を感じられたか、いかがでしたでしょうね。思わぬ参加者にお客様も驚いていらっしゃいました。こおろぎもさぞ気分がよかったのでしょうね。
･････紫宸殿の宴 悠久の時を超え今甦るやまとの心 集え 演者達 集え 石苔亭紫宸殿に･････
何のことだかわかりますか？昨日お休みを頂き、お客様への挨拶を兼ねながら浜松まで愛車スプリンガーにてツーリングです。茂山狂言もせまり、地元のお茶会参加も昨日行い、何かと気にかかることばかりが続き正直、ちょっと自分のコントロールが困難になっていたように思います。台風の心配もありぎりぎりまで悩んでいたのですが、「浜松は晴れている、1日曇り」の天気予報を頼りに、それと貴重なフリータイムを有意義にする為、雨に遭うことを覚悟で出発をしたのです。まあ、まあ行きと帰りはお天道様にはいろいろとあそばされましたが、浜松は程よく荒れる海の表情と天気に恵まれ、（考えてみたら海を見るのは何年振りでしょう？）何よりもご紹介していただいた方々との出会いがとても楽しく素敵なチャンスを頂くことができました。そして日頃と違った力の抜けた自然な自分に出会うことができました。途中旦那さんのファットボーイにエンジントラブルがおこりまわりの方の親切が不思議と心を癒してくれたり。何気ない出来事ってとっても大切ですね。しかし、悲しいかな心のどこかは旅館のことがとても気がかりになってるんですよね。心身ともに完全にオフになることは難しいものです。そんななかでこうして留守をしますと旅館を守ってくださっているスタッフに心から感謝の思いがこみ上げてきます。ゆっくり寝ることができず体力的には休みになりませんでしたが、これでまた気持ちを緩やかに石苔亭いしだの仲間とともに狂言の当日を迎えられそうです。茂山狂言いよいよですよ、今からでも是非ご相談ください。