以前、チェックインの際のBGMのお話をいたしました。有線から流れる琴の音をやめにして、代わりにどんな音を流そうかというお話だったと思います。
ロビー中央部にあります中庭には現在水を通しまして、水が石を流れ落ちる音がしております。この音は水琴屈の音とともに翌朝お客様をお迎えする音として流しております。
私たちのロビーには能舞台がありますので、これまで何の疑いもなく和の音色の代表でもある「琴」の音を流していました。ところが、「琴」の音というのは落ち着こうと思って聞くと、どうも今ひとつ体に馴染まない音色で、どこか緊張感が漂うというか、寄せつけないものがあるというか・・・・。同じBGMを他の旅館やホテルでも聞いたことがありますが、やはり同じような感じを受けました。
ジャンルを問わずロビー空間にいろんな音色を差し込んでみました。
ZAZZ・クラッシック・ビートルズ・虫の鳴き声・尺八・笛・能・狂言・・・・。
ロビーにてゆったりとコーヒーを飲んでいただいたり、おくつろぎいただくために私たちが最終的に選んだのはピアノの音色でした。
能舞台のほどよい緊張感と、緩やかなピアノの音色があいまってなんともいえないロビーでの音空間となりました。
チェックインのピアノの音色。夕食後の宴での生演奏。拍子木の「火の用心」。翌朝の水琴屈の音。チェックアウトの時の火打石の音。いしだの音の流れができあがりました。ちょっと耳を傾けて館内でのBGMも聞いてみてください。
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