若女将の日記

有馬温泉 高山荘 華野

折角有馬温泉まで参りましたので、高山荘「華野」さんに寄ってまいりました。唐木先生から「是非参考になさい！」とさいさんご紹介頂いた理由は、館内のお花に全て山野草をあしらい、さらにそのお花を生けられているのが華野の息子さんというところです。

この息子さんの花のお師匠様が、唐木先生も師事されている川瀬敏郎先生です。お二人は東京の川瀬先生のお教室で出会ったそうですが、お二方とも熱心に学ばれ現在はそれぞれで自分の世界を生み出し、活躍をされていらっしゃいます。

写真を見ていただいたら一目瞭然かと思いますが、華野の息子さん（駿川様）が生けられたお花は、誰もが一度は「ふっ」と何気なく目が奪われ、心が向けられるような清浄感があります。そこが、唐木先生も駿川様も川瀬先生を師とされる理由なのでしょう。お花から多くの事を学び、己も磨かれてゆきます。

駿川様と1時間以上お話をしてしまいました。話をしながら私は昔、後継者として旅館に入る意思を確かめる為に何度も何度も繰り返し自問自答していた頃の自分の純粋な気持ちを思い出していました。目お前で見ているものは「花」ですが、その花からお客様へ伝えたいメッセージが一本の太い柱として存在する事ができるのです。「花」から伝えられるメッセージは私達で言うと、私達の目指す＝望む旅館のあり方、お客様に伝えたい石苔亭いしだです。私は私で、若旦那は若旦那でお話をしながら多くのヒントを見つけたような気がします。次は行動を起こす事。

私にとってはその行動が多きな壁になります。でもこうした出会いも含め、私にとって見過ごしてはいけないチャンスのような気がしています。時間がかかっても、遠回りしてもいつかはこの壁を乗り越えたいです。

ちなみに駿川様は40歳前半の頃、テレビで川瀬敏郎先生の番組をみて心動かされたそうです。そこからすぐ行動に移し現在に至る･･･「川瀬先生に出会えて自分の人生が一変しました」とおっしゃっていました。長く旅館の背景を知りながら育った者として駿川様がおっしゃっているところの心が、おこがましいかも知れませんが私も分かる気がし、力強く頷きながら話に熱が入りました。

有馬温泉です

私たちは石苔亭いしだを少しでも多くのお客様に知っていただくため、私どもに変わって旅行者を中心に営業を代行してくれている会社があります。こういった仕事をしてくれる所を営業所とか案内所と呼んでいます。今日ははそのうち中京近辺を中心に営業活動をしてくれている「トップ予約センター」の所長就任祝いのため、有馬温泉にやってまいりました。

有馬温泉月光園　鴻朧館に来ています。私は始めて着ました。昼神温泉と違い有馬温泉は大きい温泉地ですね。昔から京都の奥座敷といわれてきたと聞いたことがあります。確かに何か有馬のパワーを感じます。

温泉地に入りましてもう少し奥に入っていた所に鴻朧館はありました。まず私が感動したのは有馬の山です。お部屋の窓からみえる山はまさに日本らしさを感じる美しい山でした。本館と別館がありまして、少しぶらぶらと散策をしました。本館には古くから子宝の湯とされているお風呂があるらしく、露天風呂にはそれぞれ祠が祭られていました。

この恵まれた自然を愛でながら陽がさしている時間帯に温泉に入るのが気持ちよさそうだなーとすぐに感じそのまま温泉を楽しむことにしました。鉄分の多いと言われる源泉の湯に入りながら、川の音、鳥の声、木々の葉の音に心が清められるようです。

本館の遊月山荘には、重ねてきた時の流れをやさしく感じることが出来、自分のお気に入りのスポットを見つけられそうです。素敵な味わいや空気感というのは、旅人にとっての大のご馳走なのではないでしょうか！

時々こうして外の環境にふれ、刺激を受けるというのは自分の仕事へも人生にも大切なことですね。仕事を理由に良い時間を過ごさせていただきました。ありがとうございました。

女性の活躍の場

毎週火曜日は和太鼓チーム「華樂」（カグラ）の稽古のため若旦那は出かけてゆきます。華樂は発足して半年程が過ぎました。阿智村の奥様方なのですが、昨年阿智村の夏祭りで行なわれた高校生の太鼓をみて若旦那に声をかけてきてくれたそうです。

私はこの「華樂」の皆さんにジェラシーを感じます。彼女たちは子育てや家事だけではない、自分自身をもう一度奮い立たせる「何か」を見つけようと一歩を踏み出されています。社会の一員になり生活をしていると毎日のことに終われて、挑戦や冒険をする自分を楽しむことと縁遠くなりがちです。ましてや主婦や親になった女性は仕事をしていたときに比べ自分の為に時間やお金を使い、自分を表現する場を夢見ている人は多くいるのではないでしょうか？

私自身、30歳を過ぎた頃からこれから先の人生に「老い」なのか「死」なか、そうした自分に与えられた時間に限りがあることを感じながら自分の将来を考えるようになりました。そうすると私の心の中に「憧れ」や「期待」という感情が潜んでいることに気がつくんです。そうした自分の感情を満足させたくなる、育てたくなる。でも、なんだかんだと理由をつけてはその一歩がなかなか踏み出せない。

「華樂」の皆さんのように挑戦を始めた女性を身近なところで拝見するととても勇気がわいてきます。これからさらにどんな風に化けてゆくのか心から応援しています。

白馬へ行ってきました

野の花作家　唐木さち様にお声を掛けていただき、本日は現地合流で白馬へ行ってきました。1つ目の目的は、キルト作家として日本の第一人者として知られている秦泉寺由子様のオープンパーティーに出席させていただくこと。もう1つは、7月に予定されている唐木先生のイベントの打ち合わせです。

唐木先生は7月8日（日）「白馬リゾートホテル　ラネージュ東館」にてランチとディナーの2部にわたり花の世界をお客様と楽しむイベントを計画しております。初めて寄せていただきましたが、ラネージュとても興味深い構成になっていました。若旦那も気に入ったようです。

そしてこのリゾートホテルを唐木先生はどのようにコオディネートをしてゆくのか、今日の先生のやり取りを見ているだけで大変勉強になります。当日は是非私達も勉強の為参加させていただこうと思っています。

ご興味のおありの方、是非ご一緒にいかがですか。

昼の部　１1時〜　フランス料理と森のテラス茶会　　　　　　　\5.500

夜の部　5時30分〜フランス料理ディナーと森の初夏の宵茶会　　\10.000

宿泊プラン　\28.800　と\21.000とあるそうです。

松本のクラフト展

松本市の県の森と言う所で毎年クラフト展が行われます。若旦那は安曇野市の出身の為松本のことに詳しく、このクラフト展も楽しみにしているようです。本日はそのクラフト展を視察に行ってまいりました。

今回も大勢の出展があります。以前一度若旦那につれてきてもらった事がありましたが、そのときと比べると今回の出展は陶器を扱う方が減り、染め物（布）の作品が随分と増えていたような印象を受けました。

私たちは気に入った作品を見つけると、お声を掛け石苔亭いしだの売店に展示販売のお声を掛けさせていただく事もあります。前回もそうしてお声を掛けた方が今年のクラフト展にもいらっしゃいました。

今日も大変お天気が良く、大勢の方々がここ県の森に出かけてきていました。バンドの皆さんや、パフオーマンスの方、出展されている方のファッションや来場者のペット達等、休日にはもってこいのお祭りです。そして作品の一つ一つは私達にとって大変良い刺激と発見があります。

以前売店に侵せて頂いた方の作品と、幾つかの面白い作品をご紹介します。3点しか写真を載せられないのが残念です。

大山蓮華

以前長野の情報誌「NAO」の企画で、客室を使い「五感を楽しむ」というコンセプトで石苔亭いしだの1室を設えたことがあります。そのとき、やはり野の花、唐木先生のお力をお借りいたしました。

唐木先生はそのとき大山蓮華を床の間に飾られました。花から受けるやさしさを思うとき「お庭にそのお花があると素敵ですよ」とお話を頂き、客室から見えるお庭に大山蓮華を植えてくださいました。それが3年前です。そのときは花をつけるにはまだまだ若すぎましたが、今年その木がつぼみをつけました。

私はそのとき初めて「大山蓮華」という花を知りました。とても上品な花です。私の好きなタイプﾟの花だということに気がつきました。あの深見のあるもったりとした白の花びらが印象的です。花びらの面の大きさから強さを感じ、清楚で奥ゆかしさのなかに秘められた気品に満ちた意志の強さをイメージします。私があこがれる女性としての美しさの象徴です。木蓮も同様です。

花のイメージを言葉でしっかりと表現することができれば、きっとそんな女性を目差せるのでしょうが、上記の表現でも今一つ納得が出来ないところが在るんですよねー！

私は女性として「こうありたい」とイメージする時、よく花を対象にしています。自分がどんな花がすきか、それによってどんな性格を持っているのか。自分の理想というのも常に考え意識をしていないと具体的になってこないのです。ましてや理想的な目標とする人に出会えるという事も奇跡に近いです。

今の私には自分の理想とする女性像を語ることは出来ないようですが、イメージだけはしっかりとつかんでおきたいと思います。本日はその大山蓮華をロビーいっぱいに飾らせて頂きました。

客室の名前が変わりました

客室の名前が完全に狂言関連の名前へと変更が完了いたしました。私たちスタッフは名前を覚えるのに少々苦戦をしております。しかし、これで石苔亭いしだのコンセプトが少しずつ統一され始め、分かりやすくなって参りました。

狂言を題材としてデザインした浴衣も業者さんで作成中のためお盆までには出来上がってくることでしょう。

私たちの方が少々遅れておりましてお部屋に入れているインフォメーション帳の館内見取り図（これはスタッフが手書きで書いた平面図であり、私達の自慢です）の名称変更がまだだったことを、先日ご宿泊の客様にご指摘いただきました。現在急いで訂正中です。

こうして私達がこだわって製作したインフォメーション帳なども、お客様が意識してご覧頂いていることがわかり、とても嬉しかったです。新しく内容が整っていく石苔亭いしだをどうぞ楽しんでください。

明神館へ行って参りました

松本の扉温泉明神館の若社長（息子の常務さん）が、先日松本市内で「ヒカリヤ」というレストランをオープン致しました。本日は明神館の若夫婦と群馬県谷川温泉の仙寿庵の若夫婦と中日本リネンさんと合計9人でヒカリヤオープンのお祝いにお食事です。今回はフレンチをいただきました。

残念だったのが仙寿庵の若夫婦さんが急な仕事の都合で食事に間に合わず、後ほどの合流となってしまったことです。でもかわいらしいお嬢さんとご一緒のところご挨拶が出来ました。明神館の若女将さんも実は現在妊娠中です。食事中は先輩ママのお話で女性陣は楽しみ、男性陣は仕事のこと、趣味のこと、料理のこと････と楽しそうです。

食後は明神館へ寄らせて頂きました。しばらく来ないうちにまた新しい施設が出来ていたので、それを見させていただきました。そういえばロビーのソファーも変わっていました。前のソファーもよかったけれど、今回のも一段と心地よいです。

写真の一番右がそれです。全部はお見せできませんがここは、ハードリピーターのお客様専用ルームです。3回以上ご宿泊のお客様にのみ専用IDでご入室が可能となっておりまして、中ではフリードリンクとなっています。壁は朱色を貴重としていて照明、インテリア、共に大変ムードがありました。

石苔亭いしだをご利用下さるお客様の中には、明神館もよくご存知の方も多くいらっしゃいます。それぞれの特徴を生かし「長野県にもこんなにいい旅館があるんだ！」と皆様に長くご愛顧いただけるよう頑張って参りたいと思います。

くつろぎロビーコンサート

5月10日〜6月9日の期間限定で、昼神温泉の施設が毎夜ロビーでコンサートを行っています。昼神温泉にお泊りの方はどの会場でも無料で鑑賞いただけます。題して「〜ゆったりほっかり〜くつろぎロビーコンサート」

本日は石苔亭いしだがその会場となっています。ご出演は京都から「茂山千三郎様」演目は「柿山伏」です。プロの方の狂言を本格的な能舞台で見られる機会です。これは大変お勧めです。

石苔亭いしだの紫宸殿の宴にご出演くださっている方は

天心で塩原良様

恵山でパトワというグループのメンバーとして大庫こずえ様

が日を決めて行っています。

詳細は昼神温泉ガイドセンターが窓口となっております。（TEL43-3001）

昼神温泉観光センターでは塩原良率いる御花泉のメンバーが毎朝10時からライブも行っています。

今の季節是非、お立ち寄り下さい。

狂言のお稽古

茂山狂言長野社中は先日の4月21日、早座祭りの場所をお借りして初めて多くの皆さんの前で発表を致しました。なかなか皆さん堂々とした舞台でした。その舞台を見て新しい仲間が1人増えます。地元の高校の先生です。とっても嬉しいです。

さて今月のお稽古からはまた新しい演目へと変わります。まず、

当社スタッフ2名は「千鳥」

本島さん（女性）と熊谷さん（男性）ペアーは「蝸牛」

小学4年生の諒君は当社若旦那とのペアーで「神鳴」

長野から通ってくださる小中さん（女性）と山本さんペアーは「しびり」です。

初めての曲を行う時は、お扇子をもって千三郎先生の発声の後に続いてセリフを発声してゆきます。これがなかなか大変のようです。聞いていると「あれ？」と違いに気が付くものなんですが、本人は微妙なイントネーションの違いにはなかなか気が付かない。

使い慣れない言葉に頭では理解していて、同じように言っているはずなのに、口から出てくる台詞が変わってしまう。何よりも舞台の板の上での台詞のお稽古は、足がしびれるようです。

けれど、今までに衣裳を身に着け発表会を2回経験してくると、長野社中の皆さんも少しづつゆとりが出てきたように見受けられます。肩の力がぬけ、どことなく楽しめるようななごやかな雰囲気が漂います。

今月から全員で早座祭りで復曲された「木賊」を同時に稽古し始めます。園原の貴重な文化の財産として長く受け継がれて行くことでしょう。