連泊のお客様から「大トロ」を食べたいというご希望を前日にいただきました。いつも仕入れをしている魚屋さんにあるだろうとお客様からのオーダーを承ったのですが、すぐ魚屋さんに問い合わせてみたところ、お盆明けで中トロしか手に入りませんでした。
私たちの食材の調達ができるか確認をしなかったことによるミスです。あらかじめ大トロが調達できないことが分かっていれば、他の料理をお勧めしたりもできたはずです。大トロを期待されていたお客様には、ずいぶんと残念な思いをさせてしまう結果となってしまいました。
その夜、事務所に各セクション長が集まり、なんとかお客様のご出発までにフォローができないかという話し合いが持たれました。朝食にお客様がお好きなものを出したらどうだろうかとか、なにかお土産でお詫びをしようとか、様々な意見が出されましたが、若旦那の「大トロをお客様に約束したのなら、大トロを出すしかない。」一言で、事務所の雰囲気は一変しました。
電話帳を開いて飯田市内のお寿司屋さんに大トロがあるか一軒、一軒聞いていきました。もう夜中の11時ということもあり、電話がつながらなかったり、大トロがあってもわけていただけないところもありましたが、ようやく一軒、大トロをわけていただける店が見つかり、若旦那と板長がその店まで車でとんでいきました。
ところがようやく見つけた大トロは養殖ものでした。大トロには違いありませんが、やはり天然ものを出したかったと、2人が肩を落として帰ってくる途中、板長の知人のお寿司屋さんが暖簾は下ろしているものの、まだ店に電気がついているのを見つけ、そこの大将に頼んで天然の大トロを分けていただきました。小骨を抜いたり仕込みをしたりして終わったのは午前1時を回っていました。
なんとか朝食で大トロをお客様にご提供することができました。お客様をお見送りしながら、中華の陳健一さんが教えてくれた言葉を思い出していました。
「一生懸命作って、一生懸命運んで、それでもダメなときは謝るしかない。でも、一生懸命やらずに謝るほど空しいことはない。」
私たちはお客様の願いをかなえるために精一杯のことができているのだろうか、日々その問いかけを自分自身にしていかなければならないなと思いました。
台風も 東海地区は無事通過したようです。大トロの件お客様の試しなのでしょうか。
トロに何か思いいれがあるのでしたら 築地のある東京で求めるべきではないかと私は考えてしまいます。食事の趣向は育ちの影響が大きいのではないでしょうか。最近はどこに行きましても 交通手段が良くなった為か おなじ食材があり地方色が少なくなったように思います。土地柄により珍しく何が食べられるのか とても楽しみにしています。23日の予約昨夜入れさせていただきました。古希に近い歳になりましたので 量も品数も少なめにお願いします。よろしくお願いします。
投稿情報: 林 孝子 | 2006年8 月19日 (土) 23:00
若女将さん 中トロしかなくて、、?????
マグロはトロが一番旨いんですか?私は中トロのほうが,イヤそれより赤身のほうがもっと旨いと思ってる人達に失礼ではないでしょうか。9月9日にお世話になります。宜しく
投稿情報: マグロ大好きなNより | 2006年8 月25日 (金) 23:00
お客様方のお好みはそれぞれでございます。今は日本の食材ばかりではなく海外の食材で美味しいものも手に入りますので、更に多様化していますね。私が知っている食べ物よりずっとたくさんの種類の美味しいものをお客様の方がご存知の場合もあって勉強になることがあります。できましたら、そのお客様の召し上がりたいものを揃える努力をしたい、そのように私達は考えています。私は美味しいチーズケーキが好きですので、ホテルや旅館に泊まって、チーズケーキが出てきたらすごく嬉しいですね。
投稿情報: 若女将 | 2006年8 月29日 (火) 23:00