昨日、昔の家に使われていた古い材木を見に松本まで出かけました。
現在の客室の畳の一部を板張りにしたいのですが、新しく綺麗な板では周りの趣きと合わないという事で、かねてから若旦那がどこかに古材がないかと探しておりました。最近、設計士の先生から、松本に一軒、そういった類の材木を扱っている業者さんがあることを教えていただき、早速、下見に出かけたというわけです。
作業所には、所狭しといろんな色や曲がり方をした材木が並んでいました。どれも同じものはなく、古いものは大正時代から最近までずっと家を支えていた柱もあり、歴史の重さがその木の表情からうかがうことができました。
長い間に木の柔らかいところがだんだんと削れて木の目が綺麗に出ているものや、すすで柱全体が自然な風合いで黒くなっているものなど、眺めていると時間の経つのも忘れてしまうくらい、ひとつひとつとても魅力的な材木でした。
古い柱にはどこに釘が刺さっているか分からないから、金属探知機で探すんだよと、作業所の方が古材の上に探知機をかざして教えてくれました。確かに金属反応があるとピピーという音がして、その下に折れた釘が入っていることを教えてくれました。
古い民家などから出た材木は、この作業所で綺麗に現れ、またどこかの家の一部として使われていきます。なんでも捨てられてしまう現代だからこそ、こういった材木は貴重だなあと思いました。