旅をする人の中には、個々に何かしらの目的と期待を持っているかと思います。海外や長期の休みを作り大きな行事として計画をする旅。とっても素敵ですよね。
では、石苔亭いしだにご来館くださるお客様はどうでしょう。今外資系ホテルがどんどんと日本に進出してきています。とても雰囲気があり、高級感が漂う魅力を持っています。それに対し、日本の文化は温泉旅館です。石苔亭いしだはその日本の“温泉旅館”つまり文化というところにこだわりと魅力を持ちたいと願っています。お客様はどのように使い分けを行っているでしょうか?
つい数年前は、「お客様に非日常の世界を提供してゆきましょう!」と私達の間では話されていました。非日常とはなんだろう。どんなことをすればお客様に感動していただけるだろうか?と考えていたものです。
しかしお客様に分かりやすく伝える「非日常」をもとめるのと平行して、スタッフへの教育は「あたりまえの事を丁寧に確実に行いなさい」また、「たとえお客様に見えない裏方での行動、言葉であってもマナーを守り、美しい生活習慣を身につけなさい!」という教育を心がけておりました。
ご存知の通り、私の父の口癖は「一事が万事!」です。私はこのような両親に育てられながら、旅館への思いをこのように介錯していました。スタッフの心の成熟度が、石苔亭いしだにオリジナルの空気を作り出し、お客様に自然な和やかさ、安心を作り出せる旅館となってほしい。このように考え望んでいました。
しかし、日本の世の中がどんどんとと成熟してくるスピードに呑まれそうになる不安はつき物です。印象付けられるだけのインパクトのある「事」のほうへと比重がいっているような、それでよいような思いにもなります。
唐木さち先生や華野の駿川様の生み出す「花」に出会い、もう一度石苔亭いしだの縦軸がハッキリとしてきそうな期待をもちました。石苔亭いしだは「非日常」の考え方を「質の高い日常」の演出へと作りこんでゆきたいと思います。
「質の高い日常」とはなんでしょうね。全く日常性が感じられない空間というのは次第に不安や寂しさが押し寄せてくる物です。生活環境の違うお客様全員に共通する事とそうでない事と在るような気もいたします。その部分は長野県の昼神温泉にある石苔亭いしだという部分でオリジナリティーが生まれれば素敵だと思います。
「晴れ」と「気」に違いを付けようとする考え方は理解できます。日常と非日常ですね。その場合の定義は相手のプロファイリングですね。Aさんの日常とBさんの日常は違います。ある意味で非日常です。そのような言い方で考えると、いしださんの日常を提供することで、皆様の晴れを提供するというのはいかがでしょうか?当たり前のことをしっかりと。時間を積み重ねて。
投稿情報: 沼倉勉 | 2007年6 月10日 (日) 23:00
今ごろコメントを戴いていたことに気づき、遅くなりました事申し訳ございません。気をつけて日記をチェックしているのですが、少々コメント受信のシステムにあたりまだまだ問題があるようです。
いつも気にかけてくださいまして有難うございます。現在若旦那は昼神温泉と園原地区の街づくりに向けて加藤木明様と夢中になって取り組み始めています。内容を少し聞いていても、なにか期待が膨らむような素敵なINAKA構成、物語が出来上がりつつあります。
是非また若旦那とお話をしていただける機会をつくっていただければ嬉しく思います。
投稿情報: 若女将 | 2007年7 月17日 (火) 23:00