本日は「四世 茂山千作師米寿祝賀会」が京都観世会館で行われました。茂山家の京都お社中の皆様は「千和会」(センワカイ)という名で会を発足し年に1回、合同の発表会を行います。その発表会を「考究会」(コウキュウカイ)と呼んでいます。
本日はその第1934回考究会です。はその記念すべき考究会で若旦那が大役をいただきました。その為、千作先生のお祝いと若旦那の晴れ姿を見守りに行ってきました。
若旦那の出演する演目は「首引」です。出演は「親鬼」「鬼の娘」「チンゼイ=(若い男性)」と3名、他に「ケンゾク=鬼の子分」が7名え構成されています。若旦那はその中の「親鬼」の役です。
「チンゼイは鬼の住む山奥へ入り込んでしまい親鬼に捕まります。鬼はチンゼイを娘の食い初めの餌食にしようと考えます。娘がチンゼイを食らおうとしますが、いろいろと知恵を使っては難をのがれ、そのたび娘が鬼親へ泣き、助けを求める」といった内容です。その鬼親がチンゼイに絡む様が面白いところであります。
若旦那は厳つく、愛嬌のある面をつけ、見事な衣装をまとい舞台に登場しました。素人ながらになかなか落ち着いて、わかりやすい舞台でした。観客の皆様からも立派に「笑い」をとる事が出来ました。
狂言はそもそも「笑い」を呼ぶように考えられ作られているものではありますが、伝統芸能として長い歴史を持つものの中には当然「きまり事」や「仕掛け」など、不自由さがあるものです。その中で「笑い」をとるということは簡単なことではありません。
本日は最後の演目に米寿を迎えた茂山千作先生、茂山千之丞先生(弟)、
茂山千五郎先生(長男)による、「福の神」が上演されました。大変貴重な舞台だと皆さんが楽しみにされていました。
米寿を迎えられた茂山千作先生が登場するとそこは、一瞬にして空気が変わりました。千作先生をはじめお3方の人生の大半が狂言という舞台と共に有ったことだろうと思います。「笑い」をとるための舞台ではなく、役者の内面から湧き出てくる「本物」を感じました。
石苔亭いしだも「本物」を求めて毎日を大切にして参ります。
素敵ですね。以前、いしださんで狂言を拝見させていただきました。本当にすばらしかったです。しかもあんなに目の前で観ることが出来るなんて最高でした。若旦那さんの舞台みたいですね!楽しみにしてます。
この日の若旦那さんを若女将はドキドキしながらご覧になったのでしょうね
投稿情報: tora | 2007年2 月16日 (金) 23:00