ホテルの会議室にて日本とイタリアの産業交流会が開催された。
イタリアからは、商工会議所長はじめ布製品や皮製本、また外国との商品の橋渡しとなる機関の人たちが参加した。日本からも10社以上の企業がイタリアとの産業マッチングを目的に集まった。こういう場では、こちらから積極的にアピールしなければ発表の場は与えられない。
長野県から参加した企業は、今回ネオジャパネスクのイベントスタッフのネバーランドのシェフ桑原さん、和菓子 田月の城田さん、干し柿を提供してくれたケフィアアグリの福岡さん、そして石苔亭いしだである。会議の前半は、日本語とイタリア語の飛び交う意見交換にただただ唖然としていて、自分たちが意見を言える場面は皆無であった。最初は自己紹介も兼ねた商品紹介も、次第にかたちが崩れて座談会のような形式になってくると、それは尚のこと困難になってきた。
そこで屋外テラスでのティーブレイクの時間を急きょセッティングしてもらい、そちらで長野県からのプレゼンテーションを行なうようにした。フィレンツェの抜けるような青色の空の下で、各企業の代表者の顔がさっきの会議室の表情とは一変した明るいものとなった。
間髪をおかずに、抹茶の寒天ゼリーの上にジェラードと白玉団子を乗せ、そこにエスプレッソをかけて食べる「日本式アフォガード」を提供した。白いジェラードの上に赤く染められた白玉団子(赤玉団子?)が日本の国旗を現しており、横から見ると抹茶(グリーン)・ジェラード(白)・団子(赤)がイタリアの国旗を表しているという日本ならではの芸の細かさに、さすが日本の職人といった賞賛の声が上がった。続いて出された干し柿の和菓子「御玉」も好評で、イタリアの企業家から取引の話も持ち上がった。お茶を飲みながら長野県から参画した企業のプレゼンテーションも、自分たちのペースで行なうこともできた。皆一様に緊張していた表情が明るい笑顔に変わり、長野県の文化産業を伝えるいい機会になったと思う。
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