今日は、東京都品川区「喜多六平太記念能楽堂」の楽屋で、この日記を書いています。
ちょうど今、初めての舞台を終えたばかりです。
しばらく前には、舞台袖の真っ暗な切戸の中で、出番を待っていました。本番の前になると、何を考えればよいのか、どうしていればよいのか、なにもかも分からなくなって頭の中が真っ白になります。心臓の高鳴りを必死に自分の中に取り込もうとしました。
いよいよ本番の時間がやってくると、私の緊張など無関係に茂山七五三先生、千三朗先生、逸平さんなどそうそうたる方々が慣れた足取りで、私がこれから舞う小舞の地歌を謡うために、切戸から一足先に出て行かれました。いよいよ覚悟を決めなければならない…。切戸を開け気がつけばいつの間にか舞台の上に立っていました。
たった3分ほどでの舞台ではありましたが、長いようで短い私の初舞台はこうして、なにがあったのかわからないまま、気がつけば終わっていました。
演目は「三人夫」。舞の意味はまだ私には分かりませんでしたが、プロの皆様に囲まれ正式な能舞台で小舞を踊えたことに感動しました。もっと上手に舞えたかな…と欲はでるものの、今日がなければその欲も生まれなかったことに、まずは一歩前へ進むこと、久しぶりに新鮮な体験の中からこのことに気づくことができましたた。次の舞台に向けてまたがんばりたいと思える気持ちがわいてきました。
なかなか堂々とした舞台でしたよ。実は私も、久しぶりの東京での会とあって、何時になく、心臓の「ドキドキ」を感じながらこの度の狂言会に出演しました。幕が開く前は「早く終わらないかなあ・・・」とつぶやき。舞台で演じている間は「今三分の一まで来た」などと、妙に冷静になり。鏡の間に戻ってくると「次は何をやろうかなあ」と次へのチャレンジ心が湧いてくる。まあ「狂言」にはまっていく自分が見えるのは、こんなひと時ではないでしょうか。何事も精進次第です。楽しみながら永く続けてください。また同じ舞台でお会いできる日を楽しみに。
投稿情報: 橋本 昇 | 2006年9 月 1日 (金) 23:00
橋本さん、本番直前には切戸から出て舞い出すまでの手順を親切に教えてくださりありがとうございました。おかげでなんとか舞台を終えることができました。私の小舞は3分ほどの舞台でしたので、冷静になる時間などなく、始まったと思ったら終わっていたという感じでしたが、こんなに緊張したりすることなんて、日常生活ではありえないので、終わってみれば、緊張することや舞台が終わりホッとすることも含めて、心地いい時間だったように思えます。また、いろいろなことを教えてくださいね。
投稿情報: 若女将 | 2006年9 月 1日 (金) 23:00