茂山千三郎先生のご好意で、本日、村内の小学校と中学校へ狂言で狂言のワークショップを行ないました。先日のお豆腐狂言のアンケートでも多くの方から「狂言はもっと難しいものだと思っていた。」というご感想をいただきました。今回のワークショップは、日本の伝統芸能の一つである「狂言」とはもっと楽しいもので、もっと身近なものだというこを知ってもらおうという願いから実現したものです。
当初は、村内のどこかのクラス一つくらいならと学校でのワークショップを募したところ、なんと350人以上の鑑賞者希望人数となり、急きょ、午前は小学校、午後は中学校といったハードなスケジュールの中での舞台をやっていただくこととなりました。
よく千三郎先生が「狂言は単純におかしいところで笑ってもらえばいい。できるなら小学生の頃に本物の狂言を観てもらいたい。」とおっしゃっていますが、その意味が今日わかりました。舞台での台詞の言い回しやその動きに、子ども達は敏感に反応し、その度ごとに会場の体育館は、大きな笑い声に包まれました。
ワークショップの中では、狂言でお決まりの台詞
「これはこのあたりに住まいいたすものでござる〜」
といった台詞を子ども達は覚えて、その台詞に合わせて実際に舞台上で動いてみました。最初は恥ずかしがっていた子ども達も、だんだん繰り返しているうちに、身のこなしもさまになってきて、最後には全校の前で大きな声で、狂言の一場面を演じきることができるまでになりました。
若旦那はそんな子ども達の様子を終始、笑顔で見つめていました。
若旦那が5年前、学校の教師を辞めてこの旅館に入ることを悩んでいたときに、ある人から
「教師をやりながら旅館の若旦那はできないが、旅館をやりながら教育をすることはできるだろ。」
という声をかけられ、転職する決意をしたという話を聞いたことがあります。
茂山千三郎先生はじめ、心ある多くの皆様の応援があって、今日、若旦那の夢の一つが叶ったのかもしれないなと思いました。
この村の子ども達のために、快く今回の狂言ワークショップを引き受けてくださり、汗だくになりながらも一生懸命子ども達の狂言の面白さを教えてくださった茂山千三郎先生ならびに茂山狂言会の皆様に、心から感謝いたします。有難うございました。