今日、能舞台にて唐木さちさんの山野草を使った活花のワークショップが行なわれました。使われる花はもちろん南信州の山野草たちです。
能舞台には、表博耀さんの着物を使った作品「古の翼」が展示され、唐木さんは鏡板に描かれている老松と、艶やかな着物のバランスをとりながら、山野草を活けていってくださいました。
以前に何度も能舞台に花を飾ったことがあります。しかし、なかなか能舞台と花が一体化することはありませんでした。それは能舞台自体がもうすでに余計なものをそぎ落としたひとつの「完成された空間」であったために、なにを飾ってみてもそれは蛇足でしかならなかったからでした。
ところが、今日、唐木さんに活けていただいた花は、一つ一つが質素な山野草でありながらも、しっかりとした存在感があり、能舞台の雰囲気に解け入っていました。まるで能舞台に花を活けるといったイメージでした。
能楽ではシテ方・ワキ方・囃し方が決して譲ることなくお互いの音をぶつけ合うことによってその迫力を増していきます。今日の唐木さんの活花は、まさに能楽のように能舞台・着物と真っ向からぶつかり合って初めて解け合うことのできた作品だったように思います。
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