今回のトリノオリンピック。まだ日本にはメダルがありません。少々、メダルの有無にとらわれすぎて、それぞれの選手の姿が薄れている感もありますが、その中でもちょっと気になることがありました。
「オリンピックを楽しもうと思います。」
「ここまで来れたのだからあとは楽しもうと思います。」
「負けてしまったけれどオリンピックに来ることができて楽しかったです。」
以前、卓球の福原愛選手が海外遠征に行ったとき、リポーターから
「楽しかったですか?」と聞かれて
「私は楽しみに来ているんじゃありませんから。」
と答えていたのを思い出しました。
オリンピックでは順位が決まります。ということはどの選手も1位を目指す『勝負』をしています。『勝負』というのは必ず『勝ち』と『負け』が決まるものです。闘う前から「楽しんじゃう」と言ってしまう日本人選手に、なんとなくガッカリしてしまいます。
私などはオリンピックにも出場できなければ、練習に耐えられるだけの根性も持ち合わせていません。だから私の言うことには説得力はありません。ただ日本選手を応援している一国民として、本当に「楽しい」というのは、敵味方に分かれて真剣勝負で闘った後、達成感や悔しさとともにジワジワと感じるもので、最初から「楽しむ」という言葉を口に出してしまう、今の日本の気持ちのあり様が、結果としてメダルが獲得できない日本人の詰めの甘さにつながっているのではないかと思うのです。
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