明後日から2日間、石苔亭いしだの能舞台にて狂言のお稽古があります。
実は私たち昼神温泉のある阿智村の村誌の中に、村内の園原という地区を題材とした「木賊」という狂言があったという文を見つけました。「天正狂言本」というあらゆる狂言のあらすじが載っている本の中に、その狂言が載っているらしく、文献からやっとそのあらすじが分かりました。
狂言「木賊〜とくさ〜」
近頃、太郎冠者の姿が見えないといって主人が太郎冠者をしかる。
すると、信濃の国善光寺へお参りに行ったと言う。
主人が道すがらの名所を太郎冠者に尋ねる。
浅間山、園原、伏屋、帚木、更級の里、姨捨山、田毎の月。
帰りがけに園原で不思議な事を見たと太郎冠者が言う。
主人がそれはなにかと聞く。
人がひとり砥草(木賊)でこすったら消えたと語る。
主人はうそだという。
砥草を刈る園原山のふもとから、みがかれて(細い三日月になって)秋の夜の月(という歌があります)
まして人はみんな砥草でこすって姿が消えてしまいましたと言って、主人を怖がらせる。
木賊はその昔、刀を砥ぐための草として都に献上されていた、この地の特産物でした。地元ではもう知る人も少なくなったこの狂言が、復元できたら素晴らしいなと思っています。
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