その原や 伏屋に生ふる ははき木の
ありとはみえて あはぬ君かな
新古今和歌集 第11恋歌1 997 坂上是則
石苔亭いしだから車で10分ほど行ったところに「園原」という地区があります。その「園原山」には千余年前から空高くそびえ立ったような「ははき木」という巨木が立っていました。
峠越えをしてきた旅人は、その巨木を目印に歩いてきました。ところが園原の里へたどり着いてみると、さっきまで見えていた巨木がどれであるのか分からなくなってしまいます。園原を離れて再び眺めてみますと、まぎれもなく「ははき木」はそびえています。
その不思議に「ありと見えつつ…見る人ぞなき」とか「ありとは見えてあはぬ君かな」あるいは「ははき木の梢はいずこ」などという歌が詠まれたそうです。
その「ははき木」は昭和33年の台風で倒れ今は残幹となり、今はひこ生えが育っています。
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