「日本が日本に還る」
外国人に日本のイメージは?と問いかけると「フジヤマ・ゲイシャ・サムライ・ニンジャ・・・・」となる。日本人からすると時代錯誤もいいところである。そんな話はとっくの昔の話で、今の日本はもっとお洒落で洗練された国である!と言いたくなる。
しかし、その洗練された「今の日本」というのが、実はなんとも無国籍で、無宗教で、自分が何者であるのかを見失ったコピー文化であることにどれだけの人が気づいているだろうか。
バリはヒンドゥー教の国である。
朝になると家のいたるところにお供え物の花を飾る。昨晩は15日に一度あるという祭礼の日で、村じゅうで踊りが披露されたり、聖水の儀式などがあった。
外国の友人から「あなたの国はどんな文化がありますか?」と聞かれたらなんと答えよう。
そう考えると外国人が語る「フジヤマ・ゲイシャ・サムライ・・・」も、まんざら的外れでないような気もしてくる。世界では今「禅スタイル」というのが流行していて、日本家屋を模した別荘が高値で売り買いされているという話を聞いた。
私たち日本人に求められているのは、異文化を器用に取り込むことではなく、日本らしさを深く理解しなおし、あらためて「日本に還る」ことではないかと青いバリの空を見上げながら思った。
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