今、南信州では、この時期恒例のお祭り「霜月祭り」がそれぞれの地域で行なわれています。今晩は、南信濃村の木沢地区の「霜月祭り」です。
遠山の里に古くから伝わる「霜月まつり」は、両部神道による湯立祭りで、清和天皇の貞観年中(859〜876)に宮廷で行われていた祭事を模した湯立が、ほぼ原形のままで伝承されていると言われています。
霜月まつりは、伊勢神宮の内宮の湯立の系統をひくもので、おそらく伊勢方面から伝来した神楽に、元和年間にこの地で滅びた遠山土佐守一族の霊を鎮める鎮魂の儀式が後から加えられたという見方を研究者たちはしています。いずれにしても遠山の霜月まつりは、古い伝統と古式豊かな祭事であり、昭和54年2月3日、文化庁の重要無形民俗文化財に指定されました。
「千と千尋の神隠し」の舞台となる不思議の町に建つ油屋という湯治場には、人間たちだけでなく、人間たちの信仰する八百万の神々が訪れます。神も疲れて湯治にやって来るというストーリーです。
神々が湯治に訪れるというこのアイディアは、南信濃村と天龍村に伝わる霜月祭だと言われており、宮崎駿監督はテレビでこの祭りの存在を知って強い影響を受けたとも言われています。(南信濃村霜月祭りホームページより抜粋)
お祭りのクライマックスとも言われる四人の若者たちが荒れ狂う四面が登場しするのは、毎年夜中の2時くらいです。しんしんと冷え込む真夜中に、湯を煮えたぎらせた釜の周りで「霜月祭り」は夕刻から延々と続きます。
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