若女将の日記

茂山狂言長野社中のお稽古が始まりました。

昨晩から石苔亭いしだの能舞台において、茂山千三郎先生をお迎えして「茂山狂言長野県社中」のお稽古が始まりました。

これまで京都までお稽古に通っていた若旦那はじめ当館のスタッフをはじめ、お稽古に参加されたのは「紫宸殿の宴」に出演いただいている加藤木さんのご一家や地元の方々など多彩な顔ぶれで、能舞台はまたいつもと違った緊張感がありながらも和気あいあいとした雰囲気に包まれました。

お稽古は茂山先生とマンツーマンで行なわれる通し稽古です。集まったメンバーの中でチームを決めて、茂山先生からお稽古をする演目を決めていただきました。皆さん、はじめは大きな声を出すことに少々抵抗があったようですが、時間が経つにつれ声にも張りが出てきて、能舞台のあるロビー一杯にその声が響き渡りました。

お稽古が始まる前は、皆さん本当に自分に狂言ができるのだろうかと言う不安な表情でしたが、終えてみると「大きな声が出せてすっきりした」「セリフの抑揚にのってくると気持ちがいい」と清々しい表情へと変わっていました。

私もはじめは皆さんのお稽古を見ているだけのつもりだったのですが、そんな皆さんの様子を見ていたり、茂山先生や若旦那からも誘われたりして、皆さんのお稽古が終わった後、茂山先生から古舞のお稽古をつけていただきました。

狂言のお稽古は毎月2回ずつ定例で行なわれます。まだ若干定員に空きがございますので、是非一緒に狂言のお稽古をやってみませんか？

1月のお稽古は1月26日（木）27日（金）の2日間

2月のお稽古は2月 7日（火） 8日（水）の2日間です。

詳しくはホームページ「お部屋と施設」→「能舞台」→「茂山狂言長野県社中」へお進みいただいてご覧くださいませ。ご不明な点がございましたらお問い合わせをお気軽にどうぞ。お待ちしております。

ENJOY

大掃除のため2日間休館日でしたが、その中で12月の全体ミーティングも行なわれました。

若旦那からこんな話がされました。

「来年の石苔亭いしだのサービス目標は“ENJOY（エンジョイ）”すること。お客様へのサービスが楽しくなる、サービスすることがワクワクする、そんなサービスマンになろう。ただし、楽しむためにはきちんとした準備が必要です。身支度・知識・技術それぞれがちゃんと備わっていないと、楽しむべきときに楽しめないものです。」

大掃除の後はボーリング大会と忘年会がありました。

まさしく「ENJOY」の時間でした。ES（従業員満足）=CS（顧客満足）であるという考え方もあります。忘年会で心の底から笑っているスタッフの表情を見ながら、私たち旅館のサービスのあり方も、こんな心からの笑顔で行なえたら、もっともっと仕事を「ENJOY」できると感じました。

年末の大掃除

昨日と今日の2日間は年末の大掃除です。気持ちのいいお正月を迎えるために、障子貼りやすすはらい等スタッフ全員で館内の清掃を行ないました。

今年も一年、多くのお客様をお迎えすることのできた建物に感謝の気持ちを込めて、ひとつひとつふきあげていきながら、あっという間に過ぎてしまったような一年でしたが、今年もいろいろあったなぁと考えていました。

去年の大掃除の時にはなかった新しい施設や、新しいサービスが始まったことによる清掃の仕方の違いなど、掃除をしているだけでも去年と今年の違いが見えてきます。

お客様方の旅行スタイルが変わっていくにつれて、私たちの施設も変わってきたことを今さらのように気付かされるとともに、様々な要求に対して黙って応えてきてくれたこの旅館に感謝の気持ちがわいてきました。

布団のクリーニングもされ、障子も白く新しいものになり、埃もしっかりとはらわれ、気持ちのいい館内になりました。

若旦那の新たなる企み

朝から設計士の先生と若旦那がなにやら熱心に話し込んでいます。

こういう時は決まってまた何かやらかそうとしている時です。ちょっと話に聞き耳を立てていますと、旅館の廊下にトンネルを造る・・・という話し声が聞こえてきました。

来年に向けて半露天風呂付の客室が2部屋増える予定ですが、その改装の際、一緒に廊下の一部も変えてしまおうと言う話の内容でした。

こんな廊下だったら通るのが楽しいとか、壁の素材は普通じゃ面白くないなとか、2人で話しながら前に置かれた白い紙にどんどんイメージを書き込んでいきました。白い紙はあっという間にいろんなメモやデッサンでいっぱいになりました。

さてさて今度はどんな改装になるのか？楽しみのような少し怖いような・・・。また進展がありましたらお知らせいたします。

楽しいということ・嬉しいということ

フィギュアスケートのグランプリ（GP）シリーズ上位選手によるGPファイナルが行なわれています。昨晩は女子のショートプログラム（SP）が行われ、浅田真央選手が64.38点の自己ベストをマークし首位に立ちました。

惜しくも現在のところ、五輪出場の年齢制限に87日足りず出場の資格のない浅田選手ですが、昨晩の浅田選手の演技は見ているこちらまでワクワクするような楽しい気持ちにさせてもらいました。

実況している方が「浅田選手の演技を見ていると“幸福”な気分になりますね。」

と言っていましたがまさにその通りで、どこでミスをするかなといった緊張感とは違って、なにか自分もあんな風に滑ってみたいな。きっと気持ちいいんだろうな・・・と言った気持ちにさせてくれるような、とても美しく華麗な演技だったと思います。

五輪出場がかかっていないという精神的な強みなのか、スケートを心の底から楽しもうとしている姿なのか、他の選手にはない爽やかさがスケートリンクいっぱいに溢れていました。

17歳の安藤美姫選手がある番組の中で、「滑ることが楽しくなくなってきてしまった」苦悩の時期を克服した海外での合宿の出来事の話を以前耳にしたことがあります。

大勢の観客や厳しい審査員の前で、自分らしさを出しながら、演技することを楽しむことのできる精神力の強さと、スケートを滑ることを本当に嬉しいと思っている15歳の浅田選手の姿に勇気をもらうことができた気がします。

白鍋と赤鍋

今週末には大寒波がやってきて日本中、大雪になるそうです。朝晩もそうとう冷え込みがきつく、道端の水溜りのが凍っています。

寒い冬にはやっぱりあったかい鍋ですね。

石苔亭いしだには「赤鍋」と「白鍋」の2種類があります。

「赤鍋」は信州味噌と八町味噌をブレンドしたものに信州名産のリンゴを擦り込んだ赤味噌に、信州牛の赤身の肉をしゃぶしゃぶして召し上がっていただく信州牛のしゃぶしゃぶ鍋です。

一方、「白鍋」は、鶏がらスープにお米をペーストしたものを混ぜたとろみのあるスープに、名古屋コーチンのつみれを入れて煮込む鍋です。白菜やごぼうや白髪ねぎなど白い野菜を白いスープで煮込むことからこの名前がつきました。

お米自身に甘みのある「蓮華米」をダシのたっぷりきいたスープに入れて、最後にコーチンの卵を落として食べる雑炊の味は最高です。

寒い冬、是非石苔亭いしだの「白鍋」と「赤鍋」をお楽しみください。

黄金のスープ完成！

石苔亭いしだの新しい朝食がもうすぐ登場いたします。

主に「和食」と「洋食」のいずれかからお選びいただくのですが、和食は300日コーチンの卵を使った料理がメインとなります。300日コーチンが一生に一度しか生まない「初産」の卵を使った「卵かけご飯」です。

「玉子焼き」や「目玉焼き」など様々なメニューを試してみましたが、やはり卵本来の味わいをそのままお届けできればと、あえて初産の卵をそのままご飯にかけてめしあがっていただきます。薬味として3種類の厳選した「塩」と「山葵」「山椒味噌」・・などの多くの種類をご用意しております。

試食の際に私はそのあまりの素朴な美味しさにご飯を4杯もおかわりしてしまったほどです。

おちろん生卵はちょっと苦手という方もいらっしゃると思いますので、「目玉焼き」「温泉卵」などお客様のお好みに合うかたちでご提供させていただきます。

その卵かけご飯にあわせるのが「黄金のスープ」です。若旦那の

「卵料理に合う、具がないのに味わいがグッと口の中いっぱいに広がるスープを作ってほしい。和風のコンソメスープのようなもので、一切スープの表面には油が浮いていない清らかな黄金スープ」

という無茶な要望を、板長が苦心の末やっと作り上げてくれました。

スープの色は本当に金色に輝いていて、そこに白い湯気がス〜っと立っています。白い器に入れられたスープのあまりのシンプルさと、口に含んだときの味の深みのギャップに驚かされます。

卵の甘さととっても相性がいいこの「黄金のスープ」

是非お試しください。

石苔亭いしだの庭

来年に向けての石苔亭いしだのテーマは「滞在できる旅館空間」です。39時間ステイのできる「マイサンキュープラン」も12月から始まり、多くのお客様よりお問い合わせをいただいております。

私が以前に訪れたバリ島やハワイで感じた「風」や「薫り」を私たち石苔亭いしだでも、ゆっくり流れる旅館での時間の流れの中で、いかに感じていただくことができるかと考えたときに出た答えが「プライベート庭園」の造成でした。

客室から他の客室が見えてしまうということで、2年前私たちスタッフが3日間かけて手作りで設置した竹の柵も、ところどころ修理が必要となってきました。少しずつ庭屋さんにお願いをして竹垣の修理をしながら、客室から出て外でお茶を飲んだり、遠くの山を見上げることのできる個別の庭を現在作っています。

「今朝はお天気もいいので外でご朝食でもいかがですか？」

そんなお声ができたら素晴らしいと思います。

エスカレーター

デパートで買い物をする際によく「エスカレーター」や「エレベーター」を使いますが、私はとっさにその名称を使い分けることができません。

階段状になっているほうが「エスカレーター」で、箱状のものが上下するものが「エレベーター」ですよね。これがとっさに出てきません。「エレベーターガール」はいるけれど「エスカレーターガール」はいないな・・・などと自分の中では区別しております。

ちなみに関西と関東ではエスカレーターの使い方が違います。

関西では急いでいる方は、エスカレーターの「左側」を追い越していきます。しかし、東京などの関東では「右側」を追い越していきます。このルールをしっかり使い分けないと、自分の後ろの長蛇の列ができてしまいます。

ちなみに関西と関東の中間にある名古屋ではどうかというと、関東と同じ「右側」の追い越しです。ちなみにアメリカでは関西と同じ「左側」の追い越しということで、先日、大阪へ出張で出かけた際に、大阪の方が「関西のほうがグローバルや！」とおっしゃっておりました。

おもしろいですね。

今年の漢字「愛」

毎年恒例の「今年の漢字」が発表されました。

今年最も応募が多かった字は「愛」

理由は、紀宮様のご結婚や地震やハリケーンの被災地に世界中から支援が差し伸べられたこと、「あい」という名の女性の活躍、愛知万博（愛・地球博）の開催などが挙げられそうです。

最近では「震」「倒」「毒」「災」など、あまり喜ぶことのできない字が続いていたので、しばらくぶりに「愛」という素敵な字が選ばれたことに嬉しさを感じました。

しかし、年末に近づくにつれ「愛」という字とは正反対の、残虐な事件が続いています。自分への「愛」ばかりではなく、自分以外の人やものに対する「愛」がこの地球一杯に溢れることを願います。