長いようで短かった2005年がもうすぐ終わります。先日、石苔亭いしだの10大ニュースのお話をしましたが、世の中でも私たちの旅館にとっても本当にいろいろなことのあった一年だったように思います。
その中でも私が一番心に残っていることは、東京女子マラソンで見事な復活を飾った高橋尚子選手の姿でした。
優勝のゴールテープを切った直後のインタビューで、高橋選手が多くの観客に向かって、そしてテレビの前の私たちに向かって贈ってくれた言葉が、私の心に勇気と希望を与えてくれました。
「いま暗闇にいる人や悩んでいる人、本当に1日だけの目標でも3年後の目標でもなんでも目標を持つことで、凄く、一歩一歩、1日が充実すると思います。どうか夢を持って、1日を過ごして欲しいと思います。そして、小学校中学校の子は勿論なんですけれども、30代、そして中高年の皆さん方にも、24時間という時間は皆さん本当に平等に与えられたチャンスの時間です。もう二度と来ないこの1日の時間を精一杯そして充実した楽しい日にしてください。」
高橋選手の言葉から夢を持つことの大切さを学ばせていただきました。近頃は一生懸命やることがかっこ悪いような風潮がありますね。まじめにやることがばかばかしい。今が楽しければそれが一番・・・。フリーターだとかニートとか私は区別がよく分かりません。しかし、今が楽しければいい、働きたいけれどチャンスがない、自分にあった仕事がなくてなどと言い続けて、大切な時間をただただ浪費している間は、決して自分自身の人生が輝きを放つことはないと私は思います。
「人生は二度とないことをどれだけの人が実感しているか?」
これは石苔亭いしだの全体ミーティングで若旦那が全スタッフに問いかけた言葉です。自分の生き方はだれでもない自分自身が切り開いていかなければならない、そして「今」を充実させることこそが本当に精一杯「生きている」ということだと思います。
ある番組での「もっと早く小出監督から独立していたら復活は早かったのではないですか?」という問いに対して、高橋選手は
「いえ、あの時期があったからこそ、今の自分があるんです。」
と、答えていました。
なにが素晴らしい人生の「答え」かなんて誰にも答えられません。「答え」はただただ、ひたむきに、真面目に、がむしゃらに、前に進んでいこうとする姿の中にのみ存在するのだと、高橋選手の姿から学ばせていただきました。
来年もこの旅館とともに、私自身も輝いているなと思えるような、そんな毎日を過ごしていけたらと思っています。
今年一年この日記を読んでくださった多くの皆様、本当に有難うございました。また来年もよろしくお願いいたします。
よいお年をお過ごしくださいませ。
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