下伊那の文化のひとつで約300年の歴史を持つ「黒田人形浄瑠璃」の皆様のご公演が本日、石苔亭いしだにて行われました。
この地域には「黒田人形座」「今田人形座」「早稲田人形座」「古田人形座」の四座があります。どの人形芝居も「三位一体」が基本となり、「主遣い(しん)」「左遣い(さし)」「足遣い(あし)」の3つの役に分かれています。
「主遣い」は人形の衣装の背中から左手を入れて人形の姿勢を作ります。右手は人形の右袖の中に入れて右手を遣い、ときには息竹という竹を握って人形が大きく息をする表現もします。
「左遣い」は右手で人形に左手を操ります。
「足遣い」は人形のかかとの後ろに取り付けてある半円型の差し金を持って足を動かします。足遣いは陰の役者でありながら、実は人形を活かしていく重要な役割を担っています。役によっては足遣いに一番熟練の遣い手がまわる場合もあります。
一人でそれぞれの人形の動かし方を覚えることも大変なのに、3人の役者がそれぞれ呼吸を合わせなければ、一体の人形を動かすことのできない人形芝居に、長い歴史に裏づけされた日本の伝統を感じることができた今宵の宴でした。
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