ちょうど「SPEED」が流行ったころでした。メンバーの中に小学生の島袋さんがいたことから、私のクラスでも休み時間になると、ダンスの練習をしている女子の姿が見られました。同時にお洒落についての関心も高まってきて、リップクリームや眉剃りや透明マニキュアなどをしてくる女の子も増えてきた頃です。
子ども達は校則の隙間をぬってあれやこれやお洒落をしてきます。マニキュアがダメならシールを貼ろう、カラーコンタクトはいいでしょ・・・。これではイタチごっこです。そこで、私たちのクラスでは「小学生はどこまでお洒落をしていいのか」という、討論会をすることにしました。
すると、そこで学校側から「まった!」がかかったのです。
「もし、討論会をやってお洒落してもいいということになったどうするんですか?」
「それは、話し合うことではなく指導することです」
しかし、私はその時、眉を剃っている女の子たちに、なぜ剃ってはいけないのかという理由を明確に語ることができなかった。ただわかっていたのは漠然とした眉剃りは「小学生らしくない」ということだけです。だから子ども達と一緒に考えたかったのです。「小学生らしい」とはどういうことなのかを。
私は学校側の反対を押し切り、お洒落についての討論会をすることにしました。その段階ではこの話し合いによって、子ども達がどう変わるのかはまったく見えていませんでした。そういった意味では、その時の私の判断があっていたのか間違っていたのかはわかりません。ただただ子ども達の思いと真正面から向き合おう・・・・それだけを考えていました。
討論会当日、私のクラスは教室に入りきれないほどの人が集まりました。子ども達の了承を得て、子ども達の他に、保護者の方、茶髪代表の他のクラスの先生、保健の先生などをまで交えての自由討論会となったからです。
つづく
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