いよいよこの日がやってまりました。
紫宸殿の宴1000回公演!始めた当時は、なにかお客様に喜んでいただけるものはないかということで、なかば見切り発車のようなかたちで、若旦那がはじめた舞台でした。
若旦那は教師時代、和太鼓を自分のクラスの子ども達や村民に教えていました。その時からいろんな芸能の方々との親交があり、転職して能舞台のあるこの旅館にやってきた時に、その方々が力を貸してくれるかたちで、この舞台は始まりました。
時には客席にお客様がゼロという日もありましたが、そんな日は私達スタッフが舞台を見させていただきました。
あまりにお客様が少ないときには、お客様に寂しい思いをさせてはと、板場のスタッフが浴衣を着て、サクラとなってもらったこともありました。
宴終了後に、「お前達スタッフは、宴の出演者と同じくらいこの舞台を成功させようと努力しているか!」と、ロビーに全員で車座になり、若旦那から説教されたこともありました。
長かった1000回の公演でしたが、思い返すたびにひとつひとつが昨日のことのように懐かしく思い出されます。そしてあらためて多くの方々に支えられての舞台であったことを思い知らされます。
今日、和力の方々から1000回公演のテーマでもあります「はな」に寄せた、とても華々しい舞台を披露していただきました。1000回公演の為に駆けつけてくださったお客様もいらっしゃり、本当にうれしい公演となりました。
これからもこの舞台が、下伊那の文化や日本が大切にしてきたものを、一人でも多くのお客様に伝えていくことができるような役目を果たせていけるよう、私どもさらに精進してまいりたいと思っております。