« 2005年4 月 | メイン | 2005年6 月 »
朝から若旦那がスナックにこもって何かを始めました。
ちょっと覗いてみると、スナックの机や椅子を積み重ねたり、シーツを壁から垂らしたりと、一人で黙々となにかを作っています。
お昼過ぎにやっと完成したようで、若旦那がスタッフを代わる代わるスナックへ呼び出して、出来上がったものの感想を聞いていました。
その出来上がったものとは、リラクゼーションシアター「Man＆Wife」
若旦那は、朝から設計士の先生とどんなシアタールームにするか、長い時間話し合っていたのですが、どうもイメージが具体的にわかなかったらしく、設計士の先生が帰られた後、実際にあるものを使って、仮のシアター空間を作っていたのでした。
なんとなくどんなシアタールームができるのか、その輪郭がはっきりしてきました。
現在客室にて、館内でお使いいただくタオルをご提供しております。
石苔亭いしだのマークの入った白いタオルなのですが、このタオルをお客様にとりまして、もっと魅力的なものにできないかということで、今年の春から試行錯誤を繰り返してきました。
やはり「日本」ということを前面に押し出したときに、タオルもいいが手ぬぐいがいいな・・・という思いから、今ではめっきりその数を減らした染色工場や型紙職人さんの現場などを訪れてきました。
手ぬぐいのデザインは、若旦那のたっての希望で「工房倭人」のデザイナーの駒井さんにお願いをいたしました。
駒井さんの作品は、日本の昔からの文様や言葉などを、駒井さんなりの鋭い感性で構成したデザインしたもので、これまではTシャツなどのデザインが中心でしたが、今回無理を言いまして、はじめて当館の「手ぬぐい」のデザインをしていただきました。
下の写真は、現在手ぬぐいの第１稿として上がってきているものです。手直しを加え、今年の夏にはお客様のお手元に届けることができると思います。
どうぞお楽しみに。
当館のロビーに、毎朝、二本の火箸が吊るされます。
これは1年前に若旦那のどうしてもという願いで購入した「火箸の風鈴」です。姫路の52代明珍宗理さんが、刀剣などに使う「玉鋼」を用いて、若旦那の為に打っていただいたもので、石苔亭いしだというよりは、私たち家族の家宝となっています。
「サービス」や「真心」というものは、浮かんでは消えていく音色と同じようなもの。それを成しているときには、すでにそれは消えていっている。だからこそ、その時その瞬間にすべてをかけなければいけない。
この火箸の風鈴は、この旅館が「本物のサービスとはなにか・・・」という、私たちの旅館にとって最大の壁にぶつかっていたときに、なにも飾り気のない玉鋼の風鈴の奏でる、わずかに触れ合うことだけでも奥ゆきのある今までに聞いたことのない音色が、私たちの心を打ち、旅館のサービスの足元を見返すきっかけとなった、大切な風鈴なのです。
お客様をお迎えするとき、そしてお見送りさせていただく時のみ、ロビーに飾ってあります。お客様自身で是非とも火箸の風鈴の音色をお楽しみくださいませ。
午後の2時くらいから夕暮れまでの時間帯のことを海外では「ハッピーアワー」と呼ぶそうです。
心地よい午後の風を感じながら、バルコニーに体をあずけ、ビールを片手に雑誌をながめる。日頃では、仕事に追われてるだろうこの時間に、のんびりと自分だけの贅沢な時間を過ごす。これこそが「ハッピーアワー」です。
今日、若旦那が東京から帰ってきて、湘南の海の見えるガーデンテラスで、海風を感じながら昼間からビールを飲んできたという話を聞きました。（これも研修だそうです・・・）
ついついチェアーの座りながら浅い眠りに落ちていく感覚がなんとも気持ちのいい贅沢な時間だったそうです。
旅館ではちょうどその時間は、チェックイン時間と重なります。意外とチェックインされてからお夕食の間の数時間は空白の時間となります。その時間が、当館においての「ハッピーアワー」となったら、素晴らしいなと思いました。
近いうちになにかご提案できたらと考えております。
音響プロデューサーの矢島さんが、昨日から来館してくださり、若旦那と朝から晩まで話し込んでいます。
話題は今度スナックを改装して作る「Man＆Wife」のリラクゼーションルームのです。改装を7月にひかえ最終的なつめの話をしに、矢島さんがわざわざ東京から着てくださいました。
旅館の仕事ばかりしていますと、どうしても「こうあるべき・・・」といった固定観念が優先してしまい、どんな空間と時間が心地よいのか？お客様が望んでいるものはなんのかが分からなくなってしまいます。
旅館の施設の中で、経営者の思い込みだけで作られたもののどれだけ多いことか。
こうしていろんな方面の方々から、旅館のいろんな可能性について、ああでもない、こうでもないと意見を交換できることは、私たちの旅館にとって本当に幸せなことだとつくづく思います。
今日決まったのはシアタールームの椅子の形です。ソファーからrリクライニングチェアになり、今日ソファーベッドという案で落ち着きました。下の写真は、テーブルにシーツを被せてソファーベッドに見立てたものです。
地元のニュースの中で、夕方、当館の若旦那が特集で取り上げられました。
先日行われました「紫宸殿の宴1000回記念公演」の様子を、ドキュメントで追ったものです。テレビ出演があるということで、しばらくダイエットに励んでいた若旦那でしたが、どうやら努力のかいなく、テレビにはそれなりに映っていたようです。
当の若旦那と言えば、音響プロデューサーの方と一日中、館内のスピーカーのセッティングをしていて自分の映っている番組が放映されているのを、まるっきり忘れていたようでした。
次にやることで頭がいっぱいのようです。
下の写真は、館内の水槽に泳いでいる魚の様子です。夜になるとろうそくに灯が入って幻想的です。
・・・というわけで、7月より石苔亭いしだではスナックがなくなります。
と、急に言われても何のことかわからないですね。昨日の日記でお話させていただきました「リラクゼーションシアター」を作ることによって、スナックやカラオケルームはなくなってしまいます。
旅行の楽しみといえば、夜遅くまで飲んで飲んで！歌って歌って！というお客様も大勢いらっしゃると思います。ごめんなさい。
現在、紫宸殿の宴が終わりますと下の写真のように、能舞台前のロビーがそのまま「ラウンジ」としてお使いいただけます。カラオケというわけにはいきませんが、アルコールや簡単なおつまみなどの取り揃えもございますので、どうぞ夜が深けるまで、こちらでお楽しみくださいませ。
能舞台と向き合い、悠久の時を感じながら一献かたむけるのも、おつなものでございます。
若旦那は毎日のように、7月から改装の始まる「リラクゼーションシアター」のことを考えています。
「Man＆Wife」と名づけられたこのシアターのターゲット層は、昭和22年（1947年）の誕生年をピークとする団塊の世代のお客様です。
子育てや家のローンもひと段落を終え、人生のリセットを迎えるこの年代層のお客様に、どのような空間が喜んでいただけるのかを、毎日いろんな方の話を聞いたり、雑誌やインターネットから情報を集めて考えています。
若旦那は今年で37歳を迎えるのですが、ちょうど団塊の世代くらいのおじ様、おば様あたりのライフスタイルに憧れを持っているようです。雑誌「LEON」やら「婦人画法」やらと、最近見る雑誌の種類も変わってきました。
ちょっと時間があると、シアターの見取り図を取り出して、なにやら書き込んでいます。書いては消して、消しては書いて・・・。机の上は、資料・コピー・図面が山積みになっています。
ひとつの空間を創り出すための様々なシュミレーションとディスカッション。きっといい空間が出来上がることと思います。また、何か変化があったらお話したいと思います。
