久しぶりのバリ島でした。前回は家具の買い出しで3日間飛び回っていたため、観光などとても出来ませんでしたが、今回の旅行では3時間エステで骨抜きにされたり、白魔術師に邪気を祓ってもらったりと、ホントにリゾート気分を満喫させてもらいました。フォーシーズンホテルやアマンダリホテル等のリゾートホテルの視察も行い、あらためて見も心も癒されるとはどういうことなのかを実感できました。
バリでよく見かけるのが、町や家のいたるところでおこなわれている宗教的な儀式やお供え物です。なんでも毎朝、自宅の60箇所以上にお供え物をするそうです。宿泊していたリゾートホテルでもその光景は見られました。
よくサービス業では「宗教」「野球」「政治」の話はしてはいけないと言います。違う宗教の人や政党の人がいたら喧嘩になってしまうからです。しかし、今回訪れたバリでは、そういった宗教的儀式を目にしても、これがバリの人々の暮らしなんだなと、とても自然に受け止めることができ、かえってそういった風土の中で現在、存在しているバリという国に日本にはない魅力を感じました。
今の日本は、ほとんどの国民が無宗教です。戦後の高度成長の中で世界のいいところを、日本特有の器用さでたくみに取り入れることで、他国にひけをとらない技術や製品を手に入れることができたことと引き換えに、かつて日本人が大切にしてきた宗教や礼節や心遣いをどこかに置いてきてしまった気がします。
日本が世界に認められるということは「日本人らしさ」を消し世界に溶け込むことではなく、世界の中で日本はこういう誇りや文化を持った民族なのだとしっかりと言えることなのだということを、バリに住む人々から教えてもらいました。
アメリカや北朝鮮にどうして日本は「NO」と言う事が出来ないのか?
それは日本人が日本人らしさを捨て「自分達がどこのだれなのか」をしっかりと名乗れなくなったからなのではないかと思います。
一年中、楽園のようなバリの陽気は素晴らしいし、いつもおおらかで豊かな笑顔で挨拶を返してくるバリの人々は素敵でした。
しかし、四季のうつろいを感じることができ、笑うときには口元に手を当てて微笑む凛とした目つきの日本人が住むこの国も、やはり素晴らしい国なんです。
私達の旅館は、そんな日本の文化をもっともっと大切にしていかなければならないと強く思いました。