早座祭りの1週間前、今回の祭りでもご参加いただきました霜月祭り保存会の程野の神社の「戸開け祭」に参加させてもらいました。
四月初旬に行なわれる儀式で、「春祭」「神祭」とも呼ばれるそうです。農耕の開始にあたって神殿の扉を開け、供物を供えて村内安全、五穀豊穣を祈願します。霜月祭りでは神社内の竈に火を入れてそこに湯釜が置かれますが、この日は竈に火だけ入れられ暖をとっていました。
祭壇の準備ができると総代の方々が、白い装束を身にまとい祝詞をあげます。その後、神社の舞殿にて四方を祓う儀式が行なわれました。神事が終わりますと「産土の舞」の二の舞が披露されます。(産土の舞・・・窯の正面で鈴と扇を持ち神前に向かって産土の舞を二回舞う。宵祭と異なり、鈴と扇の両方について回る「本舞」となる。扇は「火をあおる」所作となる。これは火を起こすことを意味している。参考文献:程野の遠山霜月祭)
一連の儀式がごく当たり前に粛々と行なわれていく様子に、昔からこの村の習慣として息づいている文化の深さを感じました。とても厳かでありながら、どこか懐かしくてホッとする心地のいい緊張感が神社の中一杯に広がっていました。今では、なかなか若い人がこういった神事に参加することがなくなり、この日の祭りもご年配の方が多かったように見えましたが、その中に他の村からこの神事を見学に来られている若い方の姿も見られました。
舞を舞っている様子や神事をやっている様子を見る見学者は私達以外誰もいませんでしたが、12月に多くの観光客に囲まれて行なわれる霜月祭りとはまた違って、この村の自然や神様に感謝する心がたくさん詰まった貴重な祭りに参加させていただいたことを嬉しく思いました。
コメント
コメントフィードを購読すればディスカッションを追いかけることができます。