朝青龍と言えば、社員研修旅行での成田空港での待合室でのことを思い出します。
時間はちょうど18:00ちょうど前、テレビではその日の大一番、朝青龍と琴光喜との取り組みの様子が中継されていました。その前の取り組みで白鵬が負けていたため、これで朝青龍が勝てば、全勝は朝青龍だけになるという大事な取り組みです。
その時、館内に搭乗手続きをするアナウンスが流れました。
驚いたことは、日本人ばかりかその場にいた外国人も含めて、誰もテレビの前から動かなかったことです。皆、その日の大一番の取り組みに見入っていました。朝青龍と言えば、なにかとマスコミで暴言や横柄な態度が取りざたされていて、見方によっては悪役的なイメージもありますが、空港の待合室はダーティーヒーローともいうべき、朝青龍の動きに間違いなく釘付けになっていました。
時間一杯!
朝青龍が気合の入った表情で、まわしをバン!と叩くと、待合室の観客のどこからかも「よし!」と気合の入った掛け声が聞こえてきたりして、なんとなくその場の雰囲気がひとつになったような気になりました。取り組みはあっという間で、朝青龍に軍配が上がりました。それと同時に、手荷物を持ってドヤドヤと搭乗口への大移動が始まりました。
私は、いろいろ言われている横綱ですが、やっぱり朝青龍は大横綱だと実感しました。そして、これで負けたら引退だとか、最後まで闘えるのかなどといった、噂や野次の中で、この場所、立派な全勝優勝を成し遂げました。モンゴルから単身、日本と言う異国へやってきて、強いからこそいろんなことを言われ、それでも自分の力だけを頼りに勝負に勝つ朝青龍に、スポーツマン以上の人間の精神の極みのようなものを感じ、涙が出るような嬉しさを感じました。元気のない世の中、一人の力士が、こうして世界の人を勇気付けられる快挙を成し遂げた姿に、日本自体ももっともっと見習うことがあると思いました。
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