日本中で自然に触れ合うことのできる田舎はたくさんある。
しかし、上村の下栗の里がそれらの田舎と大きく違うと感じるところは、絶景の自然の中に、村民が生活をしているところにある。
自然と人間がうまく折り合いをつけて暮らしているところが下栗の里の最大の魅力であると私は思う。里人のほとんどが60歳以上の高齢者の村である。そのおじいさん、おばあさんたちの笑顔がすごく明るい。この村の人間でない人に対しても気軽に声をかけてくれるのも、この村の村民として受入れてもらえたような気にさせてくれる。
市町村合併によってここ下栗は飯田市の一部となった。しかし未だこの地区の人口は年々減少し続け、過疎化の一途をたどっていると聞いた。この下栗の里にひとが住まわなくなったら、いくら絶景の風景がここにあったとしても人が寄り付かない場所となってしまうだろう。
なぜこんなにも生活するのに不自由な場所に、ずっと昔から人が住み続けてきたのかはわからない。しかし、この下栗を訪れる旅人の心を癒し続け、日本人ですら忘れかけている私たち日本の牧歌的な風景を、これだけ文明が発達した現代であっても継承し続けてくれている事実を、私たちは当たり前のこととしてきた時代が終わりを告げようとしている危機感を感じた。
この風景を日本の風景として守っていきたい。そのためには私たちはなにができるのかを考えて行きたいと思った。
〜おわり〜
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