石苔亭いしだの庭を責任を持って整備してくださっている村上茂さんを紹介します。私は、村上茂さんの手を、魔法の手とよんでいます。何故か?それは、村上茂さんが草取りをした後と私が草取りをした後では明らかに仕上がりが違うからです。
つまり、非常に丁寧な仕事をするということなのでしょう。村上茂さんとは私も長い付き合いをさせていただいております。その長い月日の間に、何度となく一緒に草取りを経験してきておりますが、村上茂さんの仕事から私は大切な基本を学んできました。
「草取りをさせれば、その人がどんな仕事をする人なのか良く分かる」と彼はいいます。例えば新入社員、集中してひとところから順番に草を取ることができる人、飽きっぽく場所を変えては草を取っている気になっている人、黙々と作業ができる人とそうでない人。私は始めてその話を聞いた時、自分の仕事を恥ずかしく思いました。それからは、自分は「ちょっと飽きっぽいところ、いいかげんなところがあるのかな?」という事を意識しながら仕事に取り組むようになりました。
「性格は直らない」とよく言いますが、「癖」は治せますし、長所を伸ばし、短所を減らす努力は必ず結果が現れてくるものだと、私は知りました。
私も石苔亭いしだに勤めるようになり23年。自分が社会人になって経験した目で、若いスタッフの姿をを見るようになってきました。
さて、話は草取りに戻りますが、最近の人は自分の成長過程に家庭で草取りをすること、家族と大晦日など大掃除をすることを経験しない場合が増えてきているようですね。外で自然を相手にのびのび遊ぶことをしてきていない人がおおくなってきていることです。
私の頃はまだまだそういった家族の仕事がありました。両親や兄弟からそこ学び、体が覚えてゆくことがあります。そう思うと、そうした家庭での仕事が少なくなった現在、会社で仲間同士こうした仕事を通じて、一緒に作業し、姿で見せ、実践を通じて自分の仕事を振り返ることのできる機会というのは、貴重時間だとかんじます。
大勢で行う作業は親睦にもなりますしね。どんな時も「学び」の姿勢を大切にしてゆきたいものです。
P.S 下の写真は毎年「アメシロ」がついてしまう木を切ってもらっています。この木、写真からは分かりにくいかもしれませんが水分が流れてくるんです。最後の木の中心まで来ると「赤い色の汁」が出たといいます。なんだか、かわいそうなことをしてしまいました。
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