本日から2日間、飯田市にて「全国桜シンポジュウム」が開催されます。全国桜シンポジュウムは1982年から開催され、今年で26回めとなる活動です。長野県では1990年に高遠町(第9回)、2004年には須坂市(第23回)で開催されています。
初日は記念講演会や桜保存会の活動の報告に続いて表彰式が行われます。2日目は現地見学会モデルコースが紹介されておりますので、希望するコースをご案内していただけるようです。
ここ南信州は全国でも類が無いほど貴重な桜が点在していることで知られています。樹齢300年以上の老木を初め樹形の美しい名桜が多く残されているそうです。1本1本の桜の木が美しく、保存のための特別な策や添え木などもされていないケースが多いらしく保存会の方々としては複雑な思いのようです。昼神温泉の観光名所でもある駒つなぎの桜は樹齢800年とされておりますが特に、山の崖に昔のまま添え木もされず残されており、その自然の険しさ力強さといったものは多くの写真家達を魅了しているようです。
保存会の方々の話では、それだけすばらしい桜があちこちに点在している奇跡に感謝し、皆さんに知っていただき、桜の根元を踏まないであげて欲しいなどのマナーを呼びかけているそうです。私達にとっては小さな頃から町のお寺や公園にあった立派な桜です。その存在がなくなることなど考えてもおりませんでしたが、「○百年の命」と聞くとその存在の偉大さに改めて納得がいきます。
この樹たちは、何の理由も必要とせずただそこにどんなときも存在してきたのです。私達人間は、そのことをもっと深く感じるべきなのかもしれません。人間が生活するために邪魔とされたときは、山を切り崩し、樹を焼き払い、川の流れを止め、自分達が生きる理由にあわせてきました。
どんなに大きな森でも消し去ることは数日で出来るが、元の森を取り戻そうとするためには○○年といった、とてつもなく長い時間と歴史が必要となる。だとしても元の森は決して取り戻せないだろう。といわれております。今環境破壊が世界の深刻な問題となっています。自然を失うということはめぐりめぐって自分達の存在も不可能にしてしまう事実を前日に受け止め無ければならない時代に生きているのです。
旅館という仕事を通してでも全て基本は同じなのかもしれません。「愛情・優しさ・思いやり」というものをしっかりと見つめなおし命を授かり生きている限りそんな豊かな実感のある生活を仲間と共に目指してゆきたいものです。
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