皆様のお宅では、今日の「ひな祭り」どんなことをなさいますか?
石苔亭いしだでは少し前から玄関とお部屋にお雛様を飾らせていただいております。会席料理では特別献立といたしまして、押寿司や桜餅をご提供させていただいております。昨日綺麗な椿をいただきましたので、その椿を玄関に置いてみたり、蛤のおめでたい貝を桃の節句にあわせてお花もあしらってみました
私には姉が2人おりまして、女の子が3人です。姉が生まれた年の昭和39年、東京オリンピックの年に、両親が7段飾りのお雛様を用意してくれました。それ以来小学校にあがる頃まで毎年ひな壇を飾ってくれていたことをよく覚えています。末っ子の私は、母と2人姉とで一緒にお雛様を飾る時、家族皆が揃うことがうれしくて待ち遠しかったこと今でも覚えています。
旅館が始まるようになり、姉達も家から出て行くと、お雛様は倉庫にしまわれるようになりました。そのお雛様が今石苔亭いしだの玄関に飾られています。日本には五節句があります。3月3日は上巳(ジョウシ)の節句に当たるそうです。3月の初めの巳の日に雛を祭ったのが始まりで「桃の節句」「雛の節句」とも呼ばれるそうです。ひな壇を飾り、白酒を飲み女の子の誕生と成長を祝いました。
私にとってこうした日本の祭りごとや行事は家族の絆を深め、人間関係を学ぶ場だと感じています。家族が集まり、懐かしい話を親から聞いたり、歌を教わったり、お料理のことを教わったり、子供にとって見ると大切なひと時となるはずです。
最近の人たちは皆忙しくしていらっしゃいます。私も本当のところ、旅館でひな壇を飾らなければ、今日が雛祭りだったことを忘れていたのかもしれません日本の佇まいとして構えている以上こうした行事を大切にしながら、少しずつ私の中「日本」を深めていきたいと思います。若いスタッフにとっても良いことですし、お客様にもこうしたことをきっかけに新しい家族の関係を作るきっかけになってくださればうれしく思います。
ちなみに、雛人形の決まりごとが我が家にはあります。女の子1人に対し1つのお雛様セットが用意され、結婚したときに花嫁道具として嫁ぎ先へ持っていきます。結婚と同時に飾られることは娘が生まれるまでないとされます。いつまでもお雛様を飾っていると結婚が遅れるとも言われるそうです。
私の家では姉の雛人形が姉妹3人、その後は旅館で飾られ続けました。長女はそのために「花嫁になるのが遅れたのだと」結婚の話になるたびに言っていました。お嫁に行った場合は女雛を裏向きに飾るそうです。
忙しい中でも、季節を感じることの出来る行事事は大切に守りつづけ、次の世代へと伝えていきたいと思います。
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