今日はホテルの移動日である。明日公演を行なう大英博物館での関係者用にロンドン政府が用意してくれた四つ星ホテルであると聞いた。ホテルについてびっくりしたことは男性2名一室にも関わらずダブルベッド(それもかなり狭い)が一つであったことだ。私は和力の加藤木さんと同室であったが、思わず顔を見合わせてしまった。外国では2ベッドとオーダーしないとこうなる場合もあるそうだ。
どうしようかと悩んでいるうちにまたもやハプニングが発生。12日にフィレンツェのピッティ宮殿で行なわれる「あい茶会」で提供される和菓子の食材を入れたバッグが空港で紛失してしまったという電話が、イタリア入りしたスタッフから入った。このままでは「あい茶会」に大きな穴を開けてしまう…。と言ってどうすることもできずただただ空港からの連絡を待つしかなかった。
イタリアでの料理コラボレーションをしてくれるレストランもまだ決まっていない。事務局に何度も連絡を取るが、ロンドン公演と平行して進んでいるフィレンツェ公演の準備が難航しているらしく、料理企画どころではないと取り扱ってもらえない。明日、ロンドンを発ってフィレンツェ入りしているスタッフと合流しようにも、まだ私たちの手元にはフィレンツェ入りの航空券もなく宿泊するホテルさえ決まっていなかった。
まだまだ細かい問題がいろいろ発生していた。海外でのイベントではそういたハプニングは当たり前だと聞いてはいたが、あまりにも問題が山積している。まずはこの部屋のベッドをなんとかしようと、ダブルのマットレスを2つに分けてそれを床に敷いて2人分のベッドを作った。これでなんとか2人寝ることができる。
公演に追われて市内観光を全然していなかったため、気分転換に少しの空き時間を利用して街に出かけた。テムズ川ほとりの大きな観覧車「ロンドンアイ」からバッキンガム宮殿やビッグベンを見下ろしながら、この街で公演ができたことの感動がまたよみがえって来た。
夕方にホテルに帰ると部屋は一人ひと部屋に変更されいた。しかし、私はマットだらけとなった部屋に一人で寝ることとなった。こうなると一つ星ホテルでも四つ星ホテルでも関係ないなと思いながら、マットの上に荷物を広げて明日の準備を始めた。
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