毎年、この時期に行なわれます茂山七五三社中と茂山千三郎社中の合同発表「七三の会〜しちみのかい〜」が京都の金剛能楽堂で行なわれました。若旦那は今回「千鳥」という演目での出演となります。
「匠の饗宴」「阿智の夏祭り」と続いたため、なかなか狂言のお稽古に時間をさけなかったようですが、夏祭りが終わった晩、いしだの能舞台で遅くまで稽古をしていました。もともと若旦那は大きな声ですので、多少、台詞を間違えてもなんとか勢いでごまかしてしまうのですが、今回発表会を終えてこんなことを言っていました。
「だんだんと舞台慣れしてきたから、多少不安なところがあっても自分でフォローしたり、相方が間違えてもアドリブでごまかせるようにはなってきたけれど、それが決していいことだとは思わない。なんとなくできてしまうものには“なんの価値もない”」
おそらく狂言を始めて4年目に入り、若旦那はひとつの段階をクリアしたのだと思います。そして次の壁にぶつかっています。それは、なんとなくできてしまうということです。なんとなくできてしまうから、それに満足してしまって更に上へ行こうとしない。次々と新しい演目をお稽古してレパートリーは増えるけれどそれらがすべて中くらいといったことになってしまいます。
私は茂山千三郎先生から小舞のお稽古をつけていただいています。まだまだ動きを覚えることが精一杯ですが、どうせやるからにはきちんとした「型」を身につけて行きたいと思います。そして、若旦那が今ぶつかっている段階まで早く成長できたらと思います。
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