ご存知の方もいらっしゃるとは思いますが、現在、能舞台の鏡板(能舞台のバックの松の絵が書いてある壁のことです)に、夜になると映像が映し出されるようになりました。
「宴」の生中継の前後に少しだけ映像の映っている様子が見えますが、実際には夜の7時〜11時くらいまで鏡板がスクリーンの代わりとなって、お能や狂言の映像をお客様にご覧にただいております。
以前に、お能というものはシテ方とワキ方のかけあいで物語が進行していくが、ワキ方が現世の登場人物ならば、シテ方は幻想の中の登場人物で、それは実際にはそこにはいない人物である。まるで映写機から映し出されている実態のない影のようなものだ・・・・というお話を聞いたことがあります。
鏡板の老松の絵の上に映し出される映像は、はっきりと見えるようで見えないなにか幻でも見ているかのような不思議な光景です。遠くでこだまの様に聞こえてくるセリフもまたその雰囲気を盛り立てているようです。
新しい旅館の魅力として、「宴」のあとの能舞台もお楽しみいただければと思います。
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