前回の日記でお話させていただいた「紫宸殿の宴1000回公演」のキーワード「はな」について今回はお話させていただきます。
宴者の方々とこれからどんな思いで舞台をつとめていけばいいかという話題の中で、自分の世界観を表現していくことと、お客様に喜んでいただくためのエンターティメント性をどうとらえたらいいかということが出されました。
いくら素晴らしい表現であっても、お客様がその表現についてほとんど素人であった場合、その舞台は独りよがりの舞台となり、見ているお客様には何も伝わらない。しかし、お客様に伝えることばかりを目指してエンターティメント性ばかりを追いかけていたら、自分の伝えたいことが伝わらない。
そんな舞台での表現方法に対する悩みから出たキーワードが「はな」でした。
「はな」には漢字で「華」と書く場合と「花」と書く場合があります。
「華」は、その時の通り「華やかさ」のことで、エンターテイメントのことです。しかし野に咲く花のしとやかな華やかさもあれば、洋花のような妖艶な華やかさもあってもいいのです。
「花」は、沙羅の花が一日だけ咲いて散っていくように、その一瞬に自分の全てをかけて表現していくということです。宴の出演者は常務の考えで、始まった当初から1人舞台が基本となっています。それは、1人で表現するからこそ見える宴者の生き方や魂みたいなものがあるからだそうです。いくらきれいな舞いや音色であっても、迫力ある太鼓の音であっても、お客様が宴者の生き方に共感できなければ、その舞台からは何も伝わらない。だからこそ、舞台での一瞬に自分の全てをかけなければいけないんだという宴者の方々の強い意志が、「花」という言葉を生み出しました。
とことん自分の表現を突き詰めていけば、それは「花」となり自然と「華」にもなっていくんだという意見も出されました。
「はな」をテーマとした紫宸殿の宴は6月からスタートいたします。それぞれの宴者がどんな「はな」を咲かせてくれるのか今から楽しみです。
追伸:4月10日は恒例の「SPA!ツーリング」に愛車のハーレーで参加のため、若女将の日記はお休みいたします。またツーリングの様子はお話したいと思います。
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