昨日、宴が終わった後に、その日ご出演なさった法竹の児玉さんとお話をしました。実は数日前、若旦那から宴の出演者の皆さんにこんな通達がありました。
「紫宸殿の宴もあと数ヶ月で1,000公演を迎えます。1,000公演を迎えるのあたり以下の点についてお願いいたします。
1、紫宸殿の宴のテーマ「やまとごころ」「季節のうつろい」に沿った演目の策定を行う。
2、照明効果なしの舞台の構成
3、能舞台とのコラボレーションを視野に入れた演出」
これまで行ってきた舞台を、更に意味のあるものにしたいという思いの、宴者の方々への厳しい注文でした。とくに3の能舞台とのコラボレーションについて、児玉さんと若旦那で話が盛り上がりました。私たちが能舞台を使って毎晩紫宸殿の宴をやっているのは、宴会場の舞台や体育館のステージでもない能舞台である。能・狂言が能舞台の鏡板に描かれている老松に宿った神様に奉納するという意味があるように、やはり紫宸殿の宴で演ぜらるるものも、能舞台ともっと真剣勝負で対峙しなければならない・・・・といった内容でした。
決してこれまでのそれぞれの宴者の舞台が、テーマからずれているというわけではありません。むしろ私たちがその舞台から教えられることがたくさんあったくらいです。
しかし、650年その姿を常に変えながらも、現在もなお迫力のある姿で鎮座している能舞台と、その存在感に飲み込まれないだけの熱い魂を持った宴者とのぶつかり合いを今年は是非見てみたいと思いました。贅沢な話ですが・・・。
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