接客研修会の最終日でした。今日のテーマは「基本的な作法に自分らしさを加える」といったものでした。お座敷で畳のへりを踏まないように歩いたり、畳を6歩で歩く練習をしたことを、お客様をお迎えするロビーに移して、実際の場面の中で研修を行いました。
歩幅や足の運びに気をつけながら館内を歩いてみると、これまでいかに自分が足早に歩いていたのかがわかりました。それと同時に今まで見えていなかった壁の汚れや、廊下の隅のちょっとした塵にも気づくようにもなりました。
お客様に対しての接客もそうです。日頃時間に追われて生活を追われていらっしゃるお客様の疲れを、旅館というところはゆったりとした時間の流れの中で癒して差し上げなければなりません。それなのに私たちお迎えをするスタッフが、足早のサービスをしていたらお客様にゆっくりとしたサービスを提供することなどできません。
3日間の研修を終えて私たちのサービスがどうあるべきであるかという、本当に根本的なことを学ぶことができたように思います。まずは腹の底から大きな声で「はい!」という返事をすることから始まったこの研修会でしたが、スタッフ全員が休憩をおしむほど、本当に熱心に先生方のお話を聞いてくれたことがとても嬉しいことでした。そして、遠く滋賀県から私たちの旅館のために、3日間も研修の講師としてお出でいただいた保庭先生方には、言葉では言い表せないくらいの感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。本日の終礼で「いしだのことが本当に好きになりました。」と言って先生は、言葉をつまらせながら私たちのために涙を流してくれました。こんな年になってまさかこんな感動をするなんて思ってもいませんでしたが、これもこの研修に参加したすべての人が本気になってぶつかりあった結果だと思っています。そして多くの人たちの心に応えるためにも、私たちはこれから成すべきことをきちんとしていかなければならないと固く決意いたしました。
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