3月12日に行われます茂山狂言2演目のうち「鎌腹〜かまばら〜」は先日あらすじをご紹介いたしました。
演目「濯ぎ川〜すすぎがわ〜」(大蔵流)
婿養子の男が、毎日妻と姑にこき使われています。今日もたくさんの洗濯物をかかえて川に出ますが、入れ替わり立ち替わり妻と姑が現れて、次々と新しい用事を言いつけます。たまらなくなった男は、朝起きてからしなければならない仕事を、順番に書き上げてもらい、紙に書いてあることは、間違いなくすると約束します。
そして、又洗濯にかかるのですが、妻の大事な小袖を川に流してしまいます。又、それを拾おうとした女房も水に流され溺れかけます。それを見た姑は、男に「助けるように」と言いますが、はたして紙には<女房を助けよ>と書いてあったでしょうか。恐妻家の男のはかない抵抗の物語です。
実は茂山千三郎先生と若旦那が今回の演目を決めるときに、
「旅館に婿にきて肩身のせまい思いでやってる若旦那を、狂言にするとこんな感じだろう!」
と、大変盛り上がって決まったなんともマニアックな組み合わせの演目となりました。特に「濯ぎ川」の男役を人間国宝の茂山千作先生が演ずるのは珍しく、専門家の方に言わせるとこれを見るだけでも今回の狂言会は価値がある!ということだそうです。
見るのが楽しみなような、怖いような不思議な気持ちです。
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