5月5日はこどもの日です。暦の上では立夏。
こちらでは朝からシトシト雨が降り出しまして、立夏とはいえ少し肌寒い一日となりました。
5月5日といってすぐ思い出される童謡が「背比べ」です。
柱の傷は おととしの 5月5日の背比べ
ちまき食べ食べ 兄さんが 計ってくれた 背の丈
なんとほのぼのとしていて、心が温まる歌詞でしょう。お兄さんが弟の背の丈を計っている風景がありありと想像できます。今はマンションだったり、きれいな家だったりすると柱に傷をつけたり、落書きするなんてなかなかできません。私のおばあさんの家は決してきれいな家ではありませんでしたが、みんなが集まる居間の柱には、小さな頃貼ったシールが今でも残っていたり、柱の裏側に書いた落書きがまだ消えずに残っていたりします。親戚一同がよく集まって夜中までみんなで騒いでいたおばあさんの家が私は大好きでした。
さて、先ほどお話した 童謡「背比べ」の歌詞ですが、「柱の傷はおととしの」とあります。よく考えるとちょっと不思議です。なぜおととしで、去年じゃないのか?
実は作詞された海野さんは病をわずらって、いつも5月に帰っていた故郷に帰ることができなくなってしまったそうです。故郷の家族のことを思って来年こそは帰りたいと、翌年帰ることを想像して書いたのがこの「背比べ」だということです。海野さんはその次の年に実家に帰ることができたのかは分かりませんが、故郷を思う優しい気持ちがこの歌の歌詞に歌い込まれているからこそ、童謡「背比べ」は、みんなから愛されているのだと思います。
写真はロビーに飾らせていただいている5月の掛軸の「錘馗様〜しょうきさま〜」です。地元の作家 北島新平先生の作品です。
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