昼神温泉の夏祭りの中で、来年から本格的に行なう予定の「昼神の虫送り」の神事を行ないました。虫送りとは、この昼神の地に伝わってきた「厄落とし」の神事で、松明の火に村中の「厄」を集めて、阿智川に水に流してしまうというものです。
ここ数十年行われることのなかったこの神事を、昼神の青年部の皆さんや、和力の加藤木さん、阿智の夏祭りでも活躍の村の若い衆の皆さんの協力により、今宵復活させるため、炎天下、火の神輿や七夕飾りを作ったりして準備を行ないました。
日が沈み夜が更けてくると、それぞれの旅館にお泊りの厄年の皆さんが、松明をそれぞれ手に持ち、火祭りの会場に入場してきました。会場内では勇壮な和太鼓の音が鳴り響いています。村の若い衆が担ぐ神輿には火が放たれ、火柱を上げた神輿が、それぞれ願いのこもった「夏やり様」と呼ばれる、大きな塔に火を点火していきます。火の塔が天空に向かって火柱が上がるのと同時に、世の中の隅々まで明るく照らしますようにと願いを込めた、厄年の皆さんによる火振りが始まり、会場のボルテージは一気に加速しました。
生の火の熱気と、天高く燃え上がる火の柱と、熱せられ弾ける竹の音が、日頃は静かな昼神の山間にいつまでも響いていました。
今年は来年から正式にとりおこなわれる「虫送り神事」のプレとして位置づけられたもので、まだまだ改善する点は多くありましたが、この地に古くから伝わるこの神事を復活させ、これからもこの地に訪れる多くの皆様方の幸せを願ういい昼神の夏祭りになる予感がしました。
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